こんにちは。【ADHD夫を支える妻】はっさくです。
私の夫は発達障害グレーゾーン。
ADHD(注意欠陥多動性障害)の傾向が強く、日常生活における不注意や衝動性に悩む、いわゆる「大人の発達障害」の当事者です。
今日は、発達障害当事者の大きな悩みである『セルフイメージと現実のギャップ』についてお話します。
※過去記事を大幅にリライトしました。
「できるだろう」ができない辛さ
夫にADHDの傾向があり、日常の不注意やうっかりミスが絶えません。
夫はこうした特性に日々苦しみ、自分を責め続けています。
夫の抱える辛さは、うっかりミスそのものの辛さだけではありません。
それは「できるだろう」ができない辛さであり、自分自身を信用できない辛さだといいます。
自分ではできているつもりなのに、人から「できていない」と指摘されるから凹む
夫が最も苦手にしているもの、それはお金の管理や手続きです。
特にATMとの相性は最悪で、夫はよく送金ミスをします。
それを見兼ねた私が「私が代わりにやるよ」と言うと、夫はこんなことを言います。
いい。自分でいく。
落ち着いてやれば1人でもできるから!
夫に言われるがまま1人で行かせると・・・高確率で失敗します!
夫はATMでの失敗を重ねていても、なお自分でやりたがります。
前回は調子が悪かっただけだ。でも今回は大丈夫!
こうして挑んだ数々の手続きが、幾度となく失敗に終わっています。
「できるだろう」ができない辛さ。
自分自身に裏切られ続ける辛さ。
自分自身を信用できなくなる辛さ。
こうしたことの積み重ねが、夫の自尊心を下げ続けているのです。
※発達障害の特性のひとつに「メタ認知の低さ」があります。メタ認知が低い、つまり自分を客観視することが苦手という特性が、これらの苦しみを助長する要因となることがあります。
発達障害の受容=セルフイメージと現実のギャップを埋める作業
「セルフイメージと現実のギャップがとてつもなく大きい」
これは夫に限ったことではなく、多くの発達障害当事者が抱えている悩みだと感じます。
そしてこのギャップこそが、障害受容のキーポイントとなります。
発達障害の受容は当事者にとって大きな苦しみを伴う作業です。
夫のように、セルフイメージ(理想)と現実がかけ離れていればいるほど苦しみが増し、障害受容は困難になります。
「できない自分」を認められない。受け入れられない。
だからこそ失敗が起こるたびに大きく動揺してしまう。
「こんなはずではない」と自責の念に駆られてしまう。
そして最後は自分自身を信用できなくなってしまう・・・
そんな経験を重ねてきた方も少なくないはずです。
発達障害の受容は、セルフイメージ(理想)と現実のギャップを埋める地道な作業です。
「できない自分」を直視することは誰にとっても苦しいことです。
この数年間、私は夫の側でこれらの苦しみを疑似体験してきました。
しかしこの数年間があったからこそ夫は変わりました。
苦しくてもなお、正しい自己認知こそが障害受容の第一歩であると私は考えています。
まとめ
今日は、発達障害当事者の大きな悩みである『セルフイメージと現実のギャップ』についてお話ししました。
自己と向き合う苦しみのその先に、生きづらさが少しでも解消される未来がくることを願っています。