グレーゾーンなわたしたち

【ADHD夫を支える妻】はっさくのブログ。発達障害、HSP、メンタルトレーニング、教育に関するあれこれを発信中!

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発達障害のある人は「やりたいこと」を生活の中心にすえよう!

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こんにちは。【ADHD夫を支える妻】はっさくです。

発達障害のある人が、心身ともに健康に過ごすために大切なことは何だと思いますか?それは「やりたいこと」を生活の中心にすえることです。

この考え方は、発達障害の特性とも深く関係しており、当事者のメンタルヘルスを大きく左右するものです。以下、詳しく説明します。

 

発達障害のある人は「やりたいこと」を生活の中心にすえよう!

発達障害のある人が心身健康に過ごすために大切なこと。それはやりたいことを生活の中心にすえるということです。

Twitterなどを見ていると、脱サラして自分のやりたいことを仕事にしている発達障害当事者がチラホラいます。それは才能のある一握りの人なのでしょうが、彼らはとても幸せそうです。そうでなくても「今の仕事が好き!楽しい!」と思えている人は、たとえ発達障害を抱えていても、メンタルヘルス上は問題になりません。

やりたいことは仕事である必要はなく、趣味など小さなことでも構いません。

「仕事はそこそこだけど、その分趣味の時間を楽しんでいます」

「海外旅行が好きだから、アルバイトをしてお金を稼ぎたいです」

このように、発達障害があっても余暇が充実していたり、将来のやりたいことが明確でそれに向かって進めている場合、メンタルヘルス上は問題ありません。

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「やりたいこと」「好きなこと」「心安らぐ時間」・・・あなたにはありますか?

反対に、こんな人は要注意です。

・やりたいことがわからないという人

・やるべきことで生活が埋め尽くされている人

発達障害のある人で、「うつ」をはじめとするメンタルヘルス上の問題を抱えやすい人は、上記のような人たちなのです。

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発達障害のある人はやりたいことをやれている生活が大切なんだね!でもなぜ?

 

発達障害のある人が「やりたいこと」を大切にすべき理由

人は誰しもやりたいことができている生活が理想です。しかし発達障害のある人は、普通の人以上にやりたいことを中心にすえた生活を意識する必要があります。なぜでしょうか。

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それには発達障害の特性が関係しています

1.「やるべきこと」が人より多いから

発達障害のある人は、特性から能力にばらつきがあり、普通の人よりも苦手が多くなります。例えば職場での人間関係、ケアレスミスを防ぐための段取り決め、失敗したときの事後処理など・・・たくさんの苦手を抱えた発達障害当事者が普通の人と同じように働く場合、苦手を克服するために人一倍努力することが求められます。すると、必然的にやるべきことは増えてしまいます

夫はADHDで、私生活ではケアレスミスを連発する人です。しかし職場ではミスが起こらないよう、通常の人以上に気を張っているようで、毎日ヘトヘトになって帰ってきます。

※ADHDの夫は「過集中」で仕事を乗り切っている反動が夜にきます・・・( ^_^ ;)詳しくはこちら↓

gray-zone-family.hatenablog.com

夫はよくこんなことをいっています。

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ADHDの自分は、「普通」に働くだけでものすごいエネルギーを消費してしまう!

苦手をカバーするためにやるべきことが増える。夫はこの悪循環からメンタルを壊してしまったこともあります。

2.「やりたいこと」と「やるべきこと」の調整が苦手だから

発達障害のある人は、通常の人に比べ、やりたいことやるべきことの調整が苦手です。具体的には2つのパターンが考えられます。

①「やりたいこと」を我慢できない

例えば、帰宅してから趣味のゲームをやろうと思っていたのに、仕事が長引いて帰宅時間が深夜になってしまった場合。

通常の人なら、「明日も朝早い。ゲームは明日にして寝よう」といった具合に、やりたいこと(ゲーム)を次の日に持ち越し、やるべきこと(寝ること)を優先することができます。

しかし発達障害のある人(特にASDの特性を持つ人)は、やりたいことを優先しないと気が済まない場合があります。このような人は、ゲームをするために睡眠時間を大幅に削ってしまうことがあります。

特性による苦手から、やるべきことが人一倍増えやすい。それにもかかわらず、やりたいことを我慢することができない。この悪循環から、ひどいときには、やりたいことをするために衣食住がおろそかになってしまうことがあります。

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生活習慣の乱れがメンタルに影響することも
②「やるべきこと」に過剰適応してしまう

「過剰適応」とは、苦手だと感じながらもそれに適応しようと無理をしすぎて、心身のバランスを崩してしまうことを指します。

発達障害のある人の中には、やるべきことが増えた場合に、普通の人と同様、やりたいことを削って調整する人もいます。うまくいっている場合は問題ありませんが、一見うまく立ち回れているようで、本人はものすごく無理をしている状態が続いている場合は要注意。いずれ燃え尽きてしまいます。

ADHDの夫はこちらのタイプで、平気そうな顔で日々ヘトヘトになるまで努力をして、ある日突然プツッと切れる(うつ状態)というのを繰り返しています。

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発達障害のある人にとって、やりたいことを我慢しすぎたり、やりたくないことにばかり取り組んでいたりする状態は、メンタルヘルス上よくないんだね

 

「やりたいこと」を生活の中心にすえるための環境調整を!

発達障害のある人が、やりたいことを生活の中心にすえるためにポイントとなるのは、「環境調整」という考え方です。環境調整とは、特性について周囲に理解・協力してもらいながら、よりよく生活環境を整えることをいいます。

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発達障害のある人は、特性に合わせて生活を調整した方が、環境に無理して適応するよりもはるかに暮らしやすくなるんだって!

ここでは詳しく述べませんが、環境調整のポイントは以下です。

 

<環境調整のポイント>

①自己理解:

自分の特性を正しく理解する。自分の苦手は?得意は?など・・・

②周囲への働きかけ:

・自分で生活環境を調整する・・・特性に合わせて自分なりの処世術を身につける。しんどいときは思い切って環境を変えるのも◎

・周囲に協力してもらう・・・家族や職場などに特性を理解を得て協力をあおぐ。

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環境調整でもうまくいかないときは、療育・福祉サービス・医療など専門機関の助けをもらうことも視野に!

環境調整によって、

・やるべきことや苦手に埋め尽くされない生活

・やりたいことを我慢しすぎない生活 

↑こんな生活が送れたら理想ですね。環境調整がうまくできていていれば、発達障害があっても二次障害などは起こりにくいといわれています。

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発達障害のある人は、環境調整を上手に行い、やりたいことを中心にすえた生活を心がけよう

 

まとめ

今日は、発達障害のある人の「やりたいことを生活の中心にすえることの大切さ」についてお話ししました。まとめます。

◆まとめ◆

●発達障害のある人は「やりたいこと」を生活の中心にすえよう!

・やりたいことをやっている生活は発達障害当事者のメンタルヘルスを保つために重要

●発達障害のある人が「やりたいこと」を大切にすべき理由

 1「やるべきこと」が人より多い

 2「やりたいこと」と「やるべきこと」の調整が苦手

  ①「やりたいこと」を我慢できない

  ②「やるべきこと」に過剰適応してしまう

●「やりたいこと」を生活の中心にすえるための環境調整を!
環境調整:特性について周囲に理解・協力を得てよりよく生活環境を整えること

・環境調整によって以下の生活を目指す

 ①やるべきことや苦手に埋め尽くされない生活

 ②やりたいことを我慢しすぎない生活 

⇒二次障害を減らす!

・・・とはいっても、現実はなかなか難しいですよね。やりたいことだけでは食べていけないし、やりたくないことをやらなければいけないときもあります。実際には全ての人が理想の生活とはいかないかもしれません。

それでも、発達障害のある人ほど日常の小さな「やりたい」を大切に、社会に潰されないように生きてほしいなぁ。そんなことを思って記事にしました☆

(^^)/

<参考>本田秀夫『発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち』SB新書、2020(P158-P204)