こんにちは。【ADHD夫を支える妻】はっさくです。
私の夫は発達障害グレーゾーン。
ADHD(注意欠陥多動性障害)の傾向が強く、日常生活における不注意や衝動性に悩む、いわゆる「大人の発達障害」の当事者です。
夫はこちらの指示が抜けてしまうことがよくあります。
はじめは「夫が悪い」と思っていましたが、当の本人には悪気は全くなく・・・最近では、こちらの指示の出し方が悪いせいかもしれないと考えるようになりました。
特性を無視した状態で間違った対応をしてしまうと、発達障害のある人の自尊心を下げてしまうことにつながります。
私も夫に対して、様々な失態をやらかしています・・・(苦笑)
今日はそんな反省も踏まえて、発達障害のある人への指示の出し方の工夫を6つ紹介します。
※過去記事をリライトしました!
ADHD夫に「ちゃんとやって」はNGワード!
夫は大人になってからADHDが発覚した、いわゆる「大人の発達障害」の当事者です。
先日、夫の幼少期の親子関係について記事にしました。
その中で、義母(夫の母)のある言葉が幼い彼を傷つけてきたことをお話ししました。
義母はよく、夫にこんな言葉をかけたそうです。
「ダメなものはダメ」
「しっかりしなさい」
「ちゃんとしなさい」
ダメなことはわかる。でも、どうすれば「しっかり」できるのか、どうすれば皆のように「ちゃんと」できるのか・・・そのことについては誰も教えてくれなかったし、誰も感心を持ってくれなかったと夫はいいます。
※夫の特性と愛着の話はこちら↓
この話を聞いて、私にも思い当たる節があるなぁと反省しました。
例えばこんな言葉↓
ちゃんと片付けて!
ちゃんと拭いて!
ちゃんと洗濯物のシワ伸ばして!
こうした言葉をかけると、高確率で夫からはこう反発されます。
俺はちゃんとやってるつもりなんだけど!
夫にとっては「ちゃんと」やったつもり。
しかしこちらからしたらいろいろ不十分なのです(私の細かい性格のせいもありますが笑)。
※ADHDの夫の周りでは「見えない家事」が増殖します↓
これは夫が適当にやっているからではなくて、こちらの「ちゃんと」が伝わっていないせいかもしれないと、最近は考えています。
発達障害者への指示の出し方の工夫6選
私の体験を踏まえ、ここからは発達障害のある人への指示の出し方の工夫を6つ紹介します。
1.わかりにくい表現を避ける
「ちゃんとやって」「適当にしといて」「だいたいでいいから」「できるだけ早く」・・・こうした表現はどれもぼんやりとしていて、発達障害のある人には伝わりにくい言葉です。
中には比喩や慣用表現、婉曲表現などを理解することが難しく、混乱してしまう人もいるようです(ASD傾向の人は言葉通りに取ってしまうため)。
指示を出すときは具体的なイメージが浮かびにくい言葉は極力使わないようにしましょう。
2.明確で具体的な指示を出す
発達障害のある人は婉曲的な表現などが理解しづらい人の他、ADHDの夫のようにワーキングメモリが少なく短期記憶が弱い人もいます。
複数の指示を一度に出したり、説明が長くなったりすることなく、具体的な言葉で短く端的に示すよう意識しましょう。
ポイントは「何のために(理由)」「何を」「いつまでに」「どのように」などを明確にして伝えることです。
また、ADHDの夫のようにタスクが抜けやすい人に対しては、頼んだことがちゃんと進められているかの進捗確認も忘れずに行いましょう。
3.視覚情報を活用する
発達障害のある人は、視覚優位で文字情報から情報を得たい人、聴覚優位で耳で聞いて理解したい人、具体的な行動を示してもらって理解したい人など、様々なタイプがあります。
その人の特性に合わせて、口頭での説明に加えて、視覚情報(文字やイラスト)を活用したり、実際にタスクを体験させてイメージしやすいようにしたりなど工夫しましょう。
我が家の炊飯器周りのユニバーサルデザインの工夫↓
ADHD夫のご飯の炊き忘れを防ぐ!~ADHD夫×ユニバーサルデザイン
【ADHD】しゃもじのカピカピご飯を防ぐ!~ADHD夫×ユニバーサルデザイン
4.優先順位を示す
発達障害のある人は優先順位を付けることが苦手なことがあります。
それは、細部に注意がいきやすいことや、先の見通しを立てるのが苦手なことからきています。
ADHDの夫の場合、ワーキングメモリの関係から意識できるタスク量が限られていて、タスクが複数あると混乱してしまったり、忘れてしまったりすることがあります。
タスクがいくつもある場合は、その都度優先順位を示すようにしましょう(優先度が低いタスクは今は示す必要がないのかも)。
5.「わかった」を鵜呑みにしない
発達障害のある人の「わかった」という言葉は、そのまま捉えない方がいいかもしれません。
夫の場合、「わかった!」といっていても、こちらの意図が全然伝わっていないことがあります。
発達障害のある人の中には、本当はわかっていないのに、うまく質問ができず「わかりました」と答えるしかない人もいます。
わからないことを質問できる信頼関係を築くと同時に、指示内容が伝わったかどうかもその場で確認しましょう。
6.失敗してしまったら・・・
発達障害のある人は声の大きさや表情に敏感なことがあります。
指示する側が声を荒げてしまうとそれだけで頭がいっぱいになり、パニック状態に陥り冷静にタスクをこなせなくなってしまう人もいます(夫がそうです)。
また注意を被害的に受け取るタイプの人は、相手が自分を嫌っていると思ってしまうこともあるそうです。
絶対に相手を責めるような口調にならないようにしましょう。
またミスを指摘するときは、落ち着いた場所で、穏やかな姿勢で端的に行うことが大切です。
その際は「何が問題で」「どうしたらよかったのか」を具体的に示すようにしましょう。
まとめ
今日は、発達障害の人への指示の出し方の工夫を6つ紹介しました。
これらを意識すれば、発達障害に限らず多くの人にとって親切なでわかりやすいコミュニケーションができると考えています。
私自身まだまだできてないことが多いため、できるところから少しずつ改善していきたいです。
<参考>
- 『ビジネスガイド』日本法令、2018年6月号(P6~P12「発達障害のある従業員への仕事上の指示の出し方」)http://www.jee.or.jp/public/data/180601.pdf
- 発達障害が疑われる部下にどう対応するか | アドバンテッジJOURNAL~個と組織の生産性向上を実現し、未来基準の元気を創るメディア