グレーゾーンなわたしたち

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発達障害の受容④~「大人の発達障害」の受容はなぜ難しいのか

こんにちは。【ADHD夫を支える妻】はっさくです。

シリーズ【発達障害の受容④】

今日は【大人の発達障害の受容】について考えます。

大人の発達障害の受容は、子どものそれより難しいといわれていますが・・・

なぜなのでしょうか。

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大人の発達障害とは

発達障害者には2種類のタイプいます。

①幼少期に診断や療育を受けるなどして、発達障害を自覚しながら大人になった人

大人になってから初めて発達障害に気づいた人

一般的に「大人の発達障害」と呼ばれるのは②のタイプの人たちです。

ここで注意が必要なのは、大人の発達障害は「大人になってから発達障害になった人」というわけではないということです。

発達障害は、通常は低年齢から発症する脳機能の障害です。

しかし中には、大人になるまで発達障害に気づかず社会生活を送るの中で困り感が強まり、そこで初めて発達障害と診断されるケースがあります。

これが「大人の発達障害」と呼ばれているのです。

近年、発達障害という概念が広く知れ渡ったことに伴い、大人の発達障害も急増しています。

 

大人の発達障害の受容が難しい理由

大人になってから発達障害に気づいたケース(いわゆる大人の発達障害)は、幼少期に診断や療育を受けて大人になったケースに比べ、障害性の受容が難しくなります。

実際、大人になってから自分のADHDを知った夫も、特性を受け入れる作業にかなり苦戦しています。

大人の発達障害の受容が難しい理由は、以下が考えられます。

 

 理由1「失敗体験に伴う自己肯定感の低さ」

大人の発達障害の場合、今までの失敗体験の多さから自己肯定感が極端に低いことがあります。

発達障害があっても、失敗を大目にみてもらいやすい幼少期に適切な診断や療育が受けることができれば、自己肯定感を高めることは可能です。

しかし大人の発達障害の場合、失敗体験の裏にある「発達の凸凹」を知らず大人になっています。

成長の過程で生きづらさへのサポートを適切に受けることができず、「自分はなんてダメな人間なんだ」と強い自責の念に駆られる人も少なくありません。

その自己肯定感の低さが、発達障害の受容を困難にします。

 

 理由2「愛着の問題を抱えている可能性」

大人の発達障害の場合、愛着形成がうまくなされていないことがあります。

一般的に発達の凸凹がある児童は、健常児に比べて愛着形成が遅れやすいといわれています。

愛着形成が遅れることは、親の側にも強い欲求不満をつくってしまい(「可愛くない」「育てにくい子だ」と感じてしまう)、それが虐待に繋がってしまうケースがあります*1

これは母子ともに早期療育を受けることで程度防ぐことができますが、その機会に恵まれず(または虐待に遭ってしまい)大人になった場合、心に大きな愛着不安を抱えてしまうことがあります。

このことが自己肯定感を低くし、発達障害の受容を困難にします。

 

 理由3「成人する過程で独自の自我が形成されている」

大人の発達障害の場合、成人する過程で独自の自我が形成されています。

中には、特性により肯定的な自我や価値観の形成が妨げられてしまったケースもあり、それが「発達障害である自分」を受け入れにくくしています。

幼少期に診断や療育を受け、自分の障害特性も含めて自我を形成してきた発達障害者は、治療や支援の筋道が比較的立てやすくなります。

しかし、大人の発達障害の場合、診断を受けてから「発達障害」を含めた自我形成を再度行う必要があるため、より負担が大きくなってしまいます。

 

 理由4「思考の偏りや行動パターンを変えることの難しさ」

大人の発達障害の場合、上記のように独自の自我が形成されており、そこからくる思考の偏りや行動パターンが生きづらさを加速化させてしまうことがあります。

発達障害の独特の思考の偏りや行動パターンは、早期療育によってある程度は改善されていきます。(10歳までの脳はそういった意味で柔軟です。発達障害には早期療育が有効といわれる所以はここにあります。)*2
しかし、大人の発達障害の場合は、幼少期から板についてしまった思考の偏りや行動パターンを修正していくことに時間がかかり、そのことが発達障害の受容の難しさと大きく関連しています。

 


発達の凸凹を自覚するだけでも大きな進歩!

以上、大人の発達障害の受容の難しさについて考察しました。

ここまでくると、「大人になってから発達診断を受けることに意味がない」と思ってしまう人もいるかもしれません。

実際、大人になるまで「発達障害である自分」に気づかなかった夫は、過去の失敗体験が積み重なって自尊心がズタボロです・・・。

本当は全ての発達障害者が、夫のように負の体験を積み重ねる前に(できれば幼少期に)自分を知って、対処法を確立できることが理想・・・

でも!早期療育を受けられなくても、大人になってから気づいても、ちっとも遅くないと私は思います!

「発達の凸凹」という生きづらさの原因がわかっただけでも大きな進歩!

そこからさらに自己理解を深めることができます。

発達障害は自覚してからがチャンスだと、夫を見ていてそう感じます。

大人の発達障害の方、グレーゾーンに悩む方、一歩一歩、共に頑張りましょう。

(^^)/

※シリーズ「発達障害の受容」過去記事はこちら↓

gray-zone-family.hatenablog.com

gray-zone-family.hatenablog.com

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*1:杉山登志郎『発達障害の子どもたち』講談社現代新書、2007、(第8章「発達障害の早期療育」)を参考に。

*2:杉山登志郎『発達障害の子どもたち』講談社現代新書、2007、(第8章「発達障害の早期療育」)を参考に。