グレーゾーンなわたしたち

【ADHD夫を支える妻】はっさくのブログ。発達障害、HSP、メンタルトレーニング、教育に関するあれこれを発信中!

グレーゾーンなわたしたち

痛みに強いのではなく、ただ「鈍い」~感覚鈍麻と発達障害

f:id:gray-zone-family:20210831144946j:plain

こんにちは。【ADHD夫を支える妻】はっさくです。

私の夫は発達障害グレーゾーン

ADHD(注意欠陥多動性障害)の傾向が強く、日常生活における不注意や衝動性に悩む、いわゆる「大人の発達障害」の当事者です。

先日夫が体調を崩し、コロナではないかと大騒ぎ(°°;)

結局ただの風邪のようで安心しましたが・・・

夫は痛みや不調を感じにくいというか、自分の体の調子を自分でもイマイチわかっていないっぽいのです。

風邪なんか、身体感覚よりも体温計を当てにしているし、高熱なのに元気に動き回っちゃうし・・・直前までピンピンして突然倒れるので、いつもビックリします(;´Д`)

はじめは「体が強い人」だとか「我慢強い人」だとか思っていましたが、これは、強いのではなく「鈍い」のですね・・・

今日のテーマは、意外と知られていない【発達障害と感覚鈍麻】です。

※過去記事をリライトしました!

 

感覚鈍麻とは

発達障害の特性のひとつに感覚過敏があります。

光や音などの刺激に敏感すぎてしんどくなっちゃうやつです。

夫は感覚過敏もありますが、同時に自分の体の不調や痛みにとても鈍感です。

これを感覚鈍麻といいますが、発達障害のある人は、夫のように感覚過敏とともに感覚鈍麻に悩む人もけっこういます。

私も感覚過敏は強い方ですが、夫は私なんかよりずっと敏感で、同時に鈍感です。

f:id:gray-zone-family:20210831144919j:plain

怪我の痛みにではなく「怪我をしていた事実」に慌て出す

寒さに強いのではなく「鈍い」

例えばこんなエピソード。

夫と付き合いたての頃、真冬でもコートの下に薄いシャツ1枚で現れてビックリ!!

f:id:gray-zone-family:20210616060716j:plain

全然寒くないよ?

この人はなんて寒さに強い人なんだ!と思いました。

でも、夫は体が強いわけでもないし、いっちょ前に体を冷やして下痢もするし、高熱も出すのです。

夫は服装で体温を調節することがどうも苦手みたいです。寒くなったら上着を1枚増やすとか、暑いからコートを脱ぐとか、そういうことができない。

これも感覚鈍麻からくるものです。

強い痛みも感じない?!

鈍いのは寒さにだけではありません。夫は痛みを感じにくいのです。

例えば、夫は高校生のときに十二指腸潰瘍になったそうで・・・

不調を感じて病院に行ったときは、出血してかなりヤバイ状態だったそうで、お医者さんにこう言われたようです。

「すごく痛かったでしょ。よくここまでガマンしたね。」

夫からすると??だったそう。

めまいなどの違和感は感じたそうですが、痛みは全く感じなかったとのことです。

つい先日も、「歯に違和感がある」というので歯医者に行ったら、なんとひどい虫歯が3本もあったのです(穴ボコでした・・・)。

これも直前まで全く痛くなかったといいます。

f:id:gray-zone-family:20210616060815j:plain
はっさく

恐るべし感覚鈍麻・・・!

感覚過敏と感覚鈍麻は表裏一体

感覚過敏と感覚鈍麻は表裏一体であり、どちらも発達障害の特性のひとつといわれています(発達障害が原因ではない場合もあります)。

なかなか理解してもらいにくいことですが、過敏な人は、同時に鈍感な一面を持っていることが多いと言えます。・・・

物音にすごく敏感で、触られることも嫌がる一方で、顔に何かがついていても気が付かなかったり、服に値札がついたままになっていたりするのです。過敏な一方で気が利かず、目の前のことに気が付かないという一見矛盾した状況が、誤解を生みやすいと言えます。

なかなか寝付けない一方で、いったん寝込んでしまうと、目覚ましがけたたましく鳴っていても気が付かずに眠り続けるというようなことも起こります。これも、低登録な傾向が同居しやすいために起きます。スイッチの切り替わりが悪く、なかなかやり始めないのに、やり出すと止められなかったりします。

(岡田尊司『敏感で傷つきやすい人たち HSPの真実と克服への道』幻冬舎、2017、P90-P91)

「過敏な一方で気が利かず、目の前のことに気が付かない」

この言葉に夫の全てが表われているような気がします。

睡眠や集中のスイッチの切り替えの悪さも、全て感覚鈍麻からくるようです。

※「低登録」・・・感覚の閾値が高く、反応が起きにくい状態、つまり感覚鈍麻のことです。

自分の感覚を自覚する

最近夫は自分の感覚鈍麻を自覚し始めています。

その上で、「自分は大病しても気がつかないかもしれない」と。

痛みは体のSOS。

身に危険が迫ったときに痛みを感じるのです。

それを感じにくいということは、体の重大なサインを見逃す・・・??

f:id:gray-zone-family:20210616060708j:plain

ヤバイっすね!!(汗)

いずれにせよ、感覚過敏と感覚鈍麻は正反対に見えて表裏一体のもの。

発達の凸凹を持つ人はどちらも併せ持っている場合が多いので、どちらともうまく付き合っていきたいものです。

夫のように、まずは自分の感覚を自覚することで対策も打ちやすくなることでしょう。

感覚統合療法などをはじめ、感覚鈍麻のリハビリなどもあるようです。

興味のある方は調べてみてください。

まとめ

今日は、発達障害と感覚鈍についてお話ししました。

◆まとめ◆
  • 感覚鈍麻:自分の体の状態に鈍感(気が付かない、低登録な状態)

  • 感覚過敏と感覚鈍麻は表裏一体

  • 発達障害のある人はどちらも併せ持っていることがある

  • 「感覚鈍麻がある」と自覚することの大切さ

  • 感覚統合療法などの治療法の存在

 感覚過敏と感覚鈍麻。

一見矛盾するような両者を併せ持っていることが、発達障害のある人の「生きづらさ」の大きな原因のひとつといえます。

◆ADHD夫を支える妻のつぶやき◆
◆オススメ記事◆