グレーゾーンなわたしたち

【ADHD夫を支える妻】はっさくのブログ。発達障害、HSP、メンタルトレーニング、教育に関するあれこれを発信中!

グレーゾーンなわたしたち

感覚過敏は「感覚器が優れている」から起こるのか

f:id:gray-zone-family:20211020161609j:plain

こんにちは。【ADHD夫を支える妻】はっさくです。

私の夫は発達障害グレーゾーン。

ADHD(注意欠陥多動性障害)の傾向が強く、日常生活における不注意や衝動性に悩む、いわゆる「大人の発達障害」の当事者です。

今日のテーマは感覚過敏。

ADHDの夫は、聴覚、視覚、嗅覚などの感覚過敏があります。

今日は「感覚過敏=感覚器が優れているから起こるのか」について考えます。

※過去記事をリライトしました!

 

1.感覚過敏とは

感覚過敏とは、視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚など、外部からのあらゆる刺激を過剰に受け取ることで、強い不快感を感じる症状のことをいいます。

感覚過敏は発達障害のASD(自閉スペクトラム症)の症状のひとつといわれています。

またHSP(人一倍敏感な人)にも感覚過敏がある人がいます。

f:id:gray-zone-family:20210902234450j:plain

感覚過敏の原因は発達障害やHSP以外に、病気や心因性のものなど様々です

2.感覚過敏は「感覚器が優れている」から起こるのか

感覚過敏のある人は、あらゆる刺激に対して非常に敏感に反応します。

このことから、「感覚過敏=感覚器が優れている」というイメージを持つ人もいるのではないでしょうか。

例えば、夫が聴覚過敏だと話すと「皆が聞こえない音が聞こえるの?」「耳がいいんだね」などと返されることがあります。

たしかに夫は私よりも耳がよく、モスキート音など高周波の音も聞こえます。

しかし、夫は心療内科で発達診断を受けたとき、「耳からの情報処理より目からの情報処理の方が得意」といわれています。

夫は「耳がいい」はずなのに、耳からの情報処理があまり得意ではないのです。

また、夫は視覚過敏ですが、視力は非常に弱いです。

メガネを外すとほとんど見えない夫は、お世辞にも「目がいい」とはいえません。

それにもかかわらず、夫は視覚刺激にものすごく敏感で、人混みに出かけるとすぐに疲れてしまいます。

夫の例からも、感覚が過敏であるということと、「耳がいい」「目がいい」などということとは、必ずしもイコールにはならないということがわかります。

f:id:gray-zone-family:20211020161635j:plain

聴覚過敏だから「耳がいい」わけではない

3.感覚過敏=「感覚の偏り」

感覚過敏は「感覚器が優れている」というよりは、「感覚の偏り」がある状態と捉える方が適切です。感覚過敏には、以下のような原因があることがわかっています。

  1. 目、耳、鼻、舌などの感覚器に関するもの
  2. 脳の機能に関するもの(←脳神経系との関わりが深い発達障害はここ!)
  3. 不安・ストレスなどの心因性、または病気の前兆や原因不明のもの

(参考: LITALICO仕事ナビ https://snabi.jp/article/236#11dst

聴覚過敏を例にとって考えてみます。聴覚過敏は、耳や脳の機能不全により「聴覚の偏り」が生じた状態です。

f:id:gray-zone-family:20211020162257j:plain

は本来、大きすぎる音を緩衝する働きがあります。

これらの耳の働きが何らかの原因によって障害されたときに、聴覚過敏になることがあります(原因1)。

また耳の問題ではなく、が音に対して過剰に反応してしまう場合も、聴覚過敏を引き起こすことがあります(原因2)。

脳には本来、自分にとって必要な音を取捨選択して聞き取る機能(=選択的注意)が備わっています。

そこが何らかの原因で機能していないと、全ての生活音が脳に流れ込んでしまい、聴覚過敏を引き起こします。

(参考:あさひ町榊原耳鼻咽喉科医院HP http://jibikkuma.jp/choukakukabin.html

聴覚過敏と同じようなことが、他の感覚過敏にもいえます。

f:id:gray-zone-family:20210328104857j:plain
はっさく

感覚過敏=感覚器や脳の機能不全による「感覚の偏り」と捉えよう!

4.「偏り」を「強み」として生かすことも

感覚過敏は単に「耳がいい」「目がいい」「鼻がいい」というものではありません。

感覚過敏は、感覚器や脳の機能不全によって「感覚の偏り」がある状態です。

でも「感覚器が優れている」という認識もあながち間違いではないと感じます。

音や匂いの細かな違いを把握できるという意味では、ある感覚が人より「優れている」ともいえるからです。

実際、味覚や嗅覚に過敏のある人が料理の世界に飛び込むというように、感覚過敏を生かした職業選択をする人もいます。

5.まとめ

今日は、「感覚過敏=感覚器が優れているから起こるのか」について考えました。

◆まとめ◆
  • 感覚過敏=感覚器や脳の機能不全によって「感覚の偏り」がある状態

  • 感覚過敏は「耳がいい」「目がいい」というのとは少し違う

⇒ 偏りを強みに生かすという意味で「感覚器が優れている」ととらえることも◎

発達障害の人の中には、日常的に感覚過敏に悩まされている人もたくさんいます。

一方で、「偏り」を「強み」に変えて、社会で活躍する人も多数います。

物事は捉え方次第なのかもしれませんね(^^)/

 

感覚過敏感覚鈍麻は表裏一体です。

感覚鈍麻も「感覚の偏り」といわれれば納得できます↓↓

◆オススメ記事◆