こんにちは。【ADHD夫を支える妻】はっさくです。
私の夫は発達障害グレーゾーン。
ADHD(注意欠陥多動性障害)の傾向が強く、日常生活における不注意や衝動性に悩む、いわゆる「大人の発達障害」の当事者です。
今日のテーマは感覚過敏。
ADHDの夫は、聴覚、視覚、嗅覚などの感覚過敏があります。
今日は「感覚過敏=感覚器が優れているから起こるのか」について考えます。
※過去記事をリライトしました!
1.感覚過敏とは
感覚過敏とは、視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚など、外部からのあらゆる刺激を過剰に受け取ることで、強い不快感を感じる症状のことをいいます。
感覚過敏は発達障害のASD(自閉スペクトラム症)の症状のひとつといわれています。
またHSP(人一倍敏感な人)にも感覚過敏がある人がいます。
2.感覚過敏は「感覚器が優れている」から起こるのか
感覚過敏のある人は、あらゆる刺激に対して非常に敏感に反応します。
このことから、「感覚過敏=感覚器が優れている」というイメージを持つ人もいるのではないでしょうか。
例えば、夫が聴覚過敏だと話すと「皆が聞こえない音が聞こえるの?」「耳がいいんだね」などと返されることがあります。
たしかに夫は私よりも耳がよく、モスキート音など高周波の音も聞こえます。
しかし、夫は心療内科で発達診断を受けたとき、「耳からの情報処理より目からの情報処理の方が得意」といわれています。
夫は「耳がいい」はずなのに、耳からの情報処理があまり得意ではないのです。
また、夫は視覚過敏ですが、視力は非常に弱いです。
メガネを外すとほとんど見えない夫は、お世辞にも「目がいい」とはいえません。
それにもかかわらず、夫は視覚刺激にものすごく敏感で、人混みに出かけるとすぐに疲れてしまいます。
夫の例からも、感覚が過敏であるということと、「耳がいい」「目がいい」などということとは、必ずしもイコールにはならないということがわかります。
3.感覚過敏=「感覚の偏り」
感覚過敏は「感覚器が優れている」というよりは、「感覚の偏り」がある状態と捉える方が適切です。感覚過敏には、以下のような原因があることがわかっています。
- 目、耳、鼻、舌などの感覚器に関するもの
- 脳の機能に関するもの(←脳神経系との関わりが深い発達障害はここ!)
- 不安・ストレスなどの心因性、または病気の前兆や原因不明のもの
(参考: LITALICO仕事ナビ https://snabi.jp/article/236#11dst)
聴覚過敏を例にとって考えてみます。聴覚過敏は、耳や脳の機能不全により「聴覚の偏り」が生じた状態です。
耳は本来、大きすぎる音を緩衝する働きがあります。
これらの耳の働きが何らかの原因によって障害されたときに、聴覚過敏になることがあります(原因1)。
また耳の問題ではなく、脳が音に対して過剰に反応してしまう場合も、聴覚過敏を引き起こすことがあります(原因2)。
脳には本来、自分にとって必要な音を取捨選択して聞き取る機能(=選択的注意)が備わっています。
そこが何らかの原因で機能していないと、全ての生活音が脳に流れ込んでしまい、聴覚過敏を引き起こします。
(参考:あさひ町榊原耳鼻咽喉科医院HP http://jibikkuma.jp/choukakukabin.html)
聴覚過敏と同じようなことが、他の感覚過敏にもいえます。
感覚過敏=感覚器や脳の機能不全による「感覚の偏り」と捉えよう!
4.「偏り」を「強み」として生かすことも
感覚過敏は単に「耳がいい」「目がいい」「鼻がいい」というものではありません。
感覚過敏は、感覚器や脳の機能不全によって「感覚の偏り」がある状態です。
でも「感覚器が優れている」という認識もあながち間違いではないと感じます。
音や匂いの細かな違いを把握できるという意味では、ある感覚が人より「優れている」ともいえるからです。
実際、味覚や嗅覚に過敏のある人が料理の世界に飛び込むというように、感覚過敏を生かした職業選択をする人もいます。
5.まとめ
今日は、「感覚過敏=感覚器が優れているから起こるのか」について考えました。
発達障害の人の中には、日常的に感覚過敏に悩まされている人もたくさんいます。
一方で、「偏り」を「強み」に変えて、社会で活躍する人も多数います。
物事は捉え方次第なのかもしれませんね(^^)/
※感覚過敏と感覚鈍麻は表裏一体です。
感覚鈍麻も「感覚の偏り」といわれれば納得できます↓↓