こんにちは。【ADHD夫を支える妻】はっさくです。
私の夫は発達障害グレーゾーン。
ADHD(注意欠陥多動性障害)の傾向が強く、日常生活における不注意や衝動性に悩む、いわゆる「大人の発達障害」の当事者です。
今日は先日受けたカウンセリングの話をします。
夫についての悩みを話してスッキリする予定が、「うちの夫はそんなんじゃない!」と逆に夫を全力で庇いたくなるという・・・
カウンセラーさんにもいろんな人がいるんだな・・・
しかしそんなカウンセリングからも、発達障害への向き合い方や夫婦関係についての新たな気づきがありました。
障害の受け入れが「足りない」?
先日、夫婦関係についてカウンセリングを受けました。
夫婦関係が最もしんどかった数年間の心の傷を癒やすことで、夫との関係をよりよいものにしたいと考えたからです。
夫婦関係を語る上で、夫の特性(ADHD)にまつわるエピソードは避けては通れません。
- 夫がADHDグレーゾーン(検査済)であること
- 日常の不注意が絶えないこと
- 特に金銭管理が苦手なこと
- 結婚直前に夫の借金が発覚したこと
- 夫の借金の返済等に頭を抱えてきたこと
- 夫の金銭トラブルを1人で対処してきたこと
- 発達障害が原因で夫が仕事を辞めたこと
- 夫がうつ状態を繰り返していること・・・等々
カウンセラーさんに夫を紹介するつもりであれこれ話したものの、今回のメインテーマはあくまで私の感情。
本当は夫と向き合ってきた私の感情をたくさん聴いて共感してほしかった。ただそれだけなのに・・・
話の概要を聴いたカウンセラーさんは、夫についてこんなことを言いました。
私が思うに、旦那さんは発達障害の受け入れがまだまだ足りていません。
まるで私たち夫婦の苦悩の原因が全てそこにあるかのような、断定的な口調でそう言われました。
彼女の話をまとめるとこうです↓
【問題点】
- 旦那さんの発達障害は福祉の手を借りるレベル(断定された~w)
- (夫がグレーゾーンだという話を受け)ここまで強い特性にもかかわらず診断を付けないのはなぜか
- なぜ特性をオープンにしないのか
- なぜ苦手を抱え込んでしまうのか
【原因】
- 旦那さんには「自分は大丈夫」という思い込みがあるのでは?
- 特性による認知の歪み(楽観視)が強いのでは?
【結論】
- 旦那さんは特性への理解・受け入れが足りていない
- まず旦那さん自身が「発達障害」をもっと知るべき
- 自分の特性にもっと向き合うべき
おいおい~まだちょっとしか話せてないのになんでそうなる?うちの夫はそんなんじゃないんだけど!
「発達障害とはこういうものだ」という幻想
発達障害ね、うちの娘もそうだから、あなたの葛藤や旦那さんの困り感が手に取るようにわかるのよね。
カウンセラーさんには発達障害の成人した子ども(夫と同じADHDだそう)がいるとのことでした。
彼女には「自分たち家族は発達障害とこう向き合ってきて成功した」という自負があるようで、その後も持論を展開し続けました。
なんだろう・・・聞いててすごく息苦しい・・・
彼女は、夫に発達障害当事者の自助グループに参加することを強く勧めました。
発達障害は素敵な個性です。この自助グループに参加する当事者も皆、自分の発達障害を個性ととらえてオープンに語っています。苦手や失敗を恥ずかしがらずさらけ出して皆に笑ってもらう。そうすれば今より絶対生きやすくなると思うの!旦那さんも自分の個性をまずは受けいれ、周囲にさらけ出すことで心が楽になるのではないかな!?
・・・う~ん、言いたいことはわかる。でも何だろう、この違和感・・・
夫は特性を隠しているわけでも、恥ずかしがっているわけでもないのに・・・
あれこれ一方的に決めつけないでほしいんだけど・・・
カウンセラーさんの理解の浅さと言葉の軽さに、モヤモヤを通り越してだんだん腹が立ってきました。
夫の葛藤や苦悩を「発達障害の受け入れが足りない」の一言で片付けられたこと、
夫という人間を上から目線で決めつけられたこと、
こちらの話に耳を傾けることなく持論を展開されたこと(しかも軽くて浅い)・・・
全てが不快で傷つきました。
彼女の話しているのは「発達障害はこういうものだ」「こうあってほしい」という幻想で、そこには夫や私たち夫婦がいない。
こうした幻想にどれだけ多くの当事者が苦しめられているかも知らずに・・・
キツい言い方になりますが、彼女の発言には想像力が圧倒的に足りていないと感じました。
発達障害は千差万別。一個人の成功体験を吟味せず他人に押しつけるなんて軽率だ。カウンセラーさんが夫や私たち夫婦の困り感に耳を傾けてくれたとはお世辞にも思えなかった。
その後カウンセラーさんから夫婦でカウンセリングを受けることを勧められましたが、丁重にお断りしました・・・(;.;)
※カウンセラーさんが言っていた「失敗をさらけ出して笑ってもらった方が生きやすくなる」という考え方。素敵だけど、その考えを押しつけられたら苦しくなる人もいると思うのです。詳しくはこちら↓
※カウンセラーさんが何度も強調した「発達障害は個性」という言葉。これは使い方次第で毒にも薬にもなる言葉だよなぁ・・・なんて。後日記事にします。
当事者や家族が求めているものは
今回のカウンセリングからの大きな学び。
それは、こんな聴き方されたら嫌だなぁ・・・ということです(悪い傾聴)!
発達障害のことを誰かに相談すると、「それは大変!」「何とかしなければ!」と継ぎ早にあれこれアドバイスされることがあります。
過去に受けたカウンセリングでは、「奥さん、それは違う!」「旦那さんADHDなんでしょ?○○しなきゃダメ!」と、私のやり方を全否定されて悲しい気持ちになったことがあります。
当たり前だけど、カウンセリングって心がしんどいから受けるわけで・・・心がパンパンな状態でそんなアドバイスは聞くことができないし、一般的な目線(もはやカウンセラーの主観?)からのアドバイスがその人にフィットするとは限りませんよね。
これはカウンセリングに限ったことではありません。
勇気を出して悩みを打ち明けているのに、一方的に決めつけられたり、上から目線でアドバイスされたり・・・そんな聴き方をされたら不快になるし、心を閉ざしたくなります。
深い悩みであればあるほど人間不信になるかも・・・
発達障害当事者やその家族の悩みに寄り添うために必要なことは何か。
当たり前ですが、本で読んだ方法論や持論を展開しても人を癒やすことはできません。
人の悩みに寄り添う上で最も大切なのは、相手に対する敬意と想像力。
これらはどんな知識にも勝るものだと感じます。
当事者やその家族が求めているものは、アドバイスではありません。
私たちの苦しみにまずは耳を傾け、静かに共感し、労ってほしい
それだけで心が少し軽くなる気がします。
まとめ
今日は、ADHD夫を支える妻を撃沈させたカウンセリングの話をしました。
夫のことを様々なかたちでオープンにするようになって数年。
ときに他人からの心ない言葉で傷つくことがありますが・・・
今回はさすがにこたえた・・・でもめげない!
これからも私たちなりの方法で「発達障害」という難題に向き合ってきたいと思います。