こんにちは。【ADHD夫を支える妻】はっさくです。
皆さん、映画は好きですか。
私は映画を観るのが大好きで、アカデミー賞授賞式を毎年楽しみにしています。
しかし今年の授賞式は、映画とは全く関係のない場面で騒動が起きてしまいました。
興ざめというか、とても残念でした・・・
さて、アカデミー賞騒動から1週間が経った月曜日。
こんなニュースに驚いた方もいるのではないでしょうか。
「ウィル・スミスを激怒させたクリス・ロックは『非言語性学習障害』だった」
このニュース、皆さんはどう感じましたか。
私はというと、なんだか気持ち悪いというかモヤモヤするというか・・・複雑な気持ちになりました。
なぜなら、アカデミー賞騒動をクリス・ロックの「学習障害」に帰結させることに対して強い違和感を感じたからです。
アカデミー賞騒動後に公表されたロックの「障害」
まず、アカデミー賞騒動を簡単に振り返ります。
授賞式でロックは、スミスの妻で女優のジェイダ・ピンケット・スミスのヘアスタイルをジョークのネタにしたが、彼女がスキンヘッドにしていたのは脱毛症が原因だった。この発言に怒ったウィル・スミスはステージに上がってロックに平手打ちをし、見ていた人々を驚かせた。
ロックはスミスの奥さんが脱毛症に悩んでいたことを知らなかったそうですが、彼の軽率な発言はロックを激怒させ、今回のような騒動にまで発展しました。
騒動の1週間後、日本ではこんなニュースが新たに報道されました。
第94回アカデミー賞授賞式で俳優のウィル・スミスから平手打ちを食らったコメディアンのクリス・ロックが、非言語性学習障害(NVLDまたはNLD)と診断されていたことが改めて注目を集めている。
非言語性学習障害(NVLD/NLD)は学習障害の一種です。
非言語性学習障害のある人は、空間認知や非言語コミュニケーション(表情、ジェスチャー、場の空気を読むなど)を苦手とし、学習面だけではなく対人面においても困難を抱えることがあります。
非言語性学習障害はアスペルガー症候群(ASD)とよく似ているよ
※非言語学習障害については、次回詳しくまとめます。
「妙な納得感」を覚えてしまうことへの違和感と嫌悪感
さて、このニュースに対して皆さんはどう感じましたか。
私はこのニュースを見た瞬間に、恥ずかしながらこんなことを思ってしまいました。
ああ、そういうことだったのか
妙な納得感というのでしょうか。
栄誉ある舞台でロックの口から度が過ぎるジョークが飛び出した理由。
それはつまり「そういうことだったのか」と。
そう感じたすぐ後に、ひどい違和感と嫌悪感を覚えました。
一体何が「そういうこと」なんだよ!?
「ひどい騒動」と「障害」を並べて語ることで、何となく得られる「妙な納得感」。
この感じ、この報道のあり方・・・とにかく全部が気持ち悪いと感じました。
中途半端な報道が偏見を助長する
この件について夫(ADHD特性あり)に話したところ、ものすごく的を射たことを言っていました。
例えば仕事でミスを連発する人がいるとする。
その人にADHD(注意欠陥多動性障害)があると知ったら、皆なんとなく「ああそういうことか」って思うよね。
ADHDについて知らなかった人も、「ADHDの人はミスが多いらしい」とか、「ADHDの人は仕事ができないらしい」とか、そんなイメージを持つかもしれない。
俺はADHDだけどさ、こう見えて仕事ではノーミスなんだよね。仕事はものすごく得意。だから「ADHDはミスが多くて仕事ができない」なんて思われるのは心外だ。
特性があっても努力して必死に社会生活を送っている人もいるわけで・・・なんというか、こういう中途半端な報道が偏見を助長することもあると思うよ。
ある事件と関係する人物のルーツや境遇を結びつける報道は往々にしてなされます。
そしてそのたびに、人々の心に「妙な納得感」が芽生えることも事実です。
「同様のルーツを持つ人や境遇を抱える人全てがひどい事件を起こすわけではない」にも関わらずです。
今回の件に関しても、障害に対する無知は、「クリスがあんな発言をしたのは障害のせいだ」「非言語性学習障害の人は空気が読めないらしい」という論理の飛躍に簡単につながります。
「発言」と「障害」とは直接関係があるわけではなく、あくまで別物。
そう考えないと、障害に対する偏見は簡単に助長されてしまうのです。
ただ、こういう騒動をきっかけに障害が認知されること自体は喜ばしいことだよね
まとめ
今日は、アカデミー賞騒動をクリス・ロックの「学習障害」に帰結させることへの違和感についてお話ししました。
ただどのようなきっかけであっても、今まであまり知られてこなかった障害が広く知られるようになること自体は歓迎したいです。
この流れで、次回は「非言語性学習障害」について詳しくまとめます!