グレーゾーンなわたしたち

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「べき思考」は自己肯定感を下げる?!「~すべき」を緩める2つの方法

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こんにちは。【ADHD夫を支える妻】はっさくです。

今日は、完璧主義の人が陥りやすい「べき思考」について考えます。

「べき思考」は自己肯定感を下げるといわれています。かくいう私も、超絶完璧主義人間で・・・自らの「べき思考」に振り回されて、自信を失ってしまった経験が何度もあります。

「べき思考」の原因は何か、なぜ自己肯定感を下げるのか、「べき思考」を緩める方法はないのか・・・今日はそんなことをお話しします。

 

「べき思考」とは

「べき思考」とは、「~すべき」「~ねばならない」という、自分の中で「絶対守らねばならないルール」となっている思考のことです。

あなたの中にはどんな「べき思考」がありますか?例えば私は、日々こんな「べき思考」にとらわれています↓

・時間を守るべき

・整理整頓すべき

・誠実であるべき

・完璧であるべき

・自ら決断すべき

・物事を最後までやり遂げるべき

・夫に寄り添える妻であるべき

・優しい母であるべき

・夢に向かって努力すべき

・感情的になるべきではない

・失敗すべきでない

・投げ出すべきではない

・・・etc.

あげだしたらキリがありません。自分の「べき思考」の強さに気づいたときは愕然としましたが、同時に、今まで何をやっても自信が持てなかったのは、この「べき思考」のせいなのではないか、と考えるようになりました。

 

「べき思考」の原因

私たちの身の回りで起こる出来事は、それ自体に善悪は存在しません。しかし私たちの頭の中にはたくさんの「~すべき」が存在しますし、その規準は人によって様々です。

このように「べき思考」は自分の頭の中にだけ存在する「思い込み」のようなものです。それにもかかわらず、日々こうした思考にとらわれてしまうのはなぜでしょう。

「べき思考」の大きな原因は、認知の歪みにあるといわれています。

「認知の歪み」とは、ある出来事に対して、事実とは歪んだ極端な捉え方をしてしまうことです。これによりネガティブ思考に陥ったり、人間関係の摩擦が起こったりします。これは多かれ少なかれ誰にでもあることですが、発達障害の人やHSPの人は、認知の歪みが強いといわれています。(過去記事より)

※詳しくはこちら↓

認知の歪みが強くなる原因は、発達特性HSPなどの持って生まれた特性の他に、生まれ育った環境や受けてきた教育(あるいは文化や時代などの社会的背景)などが考えられます。

幼い頃から「~すべき」を親や先生に押しつけられて育った人は、自分の中で「べき思考」が強くなる傾向があります。しかしそれが当たり前の環境で育ってきために、認知の歪みになかなか気づくことができません。世界を「自分色の眼鏡」で見てしまっている状態にもかかわらず、それが当たり前すぎて、色眼鏡をかけていることすら自覚することができないのです。

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はっさく

「べき思考」に気づくのはとても難しいんだね

 

「べき思考」が自己肯定感を下げるのはなぜか

「べき思考」は自己肯定感を下げるものです。それは自分だけに留まらず、周囲の人の自己肯定感も同時に下げてしまいます。なぜでしょうか。

「べき思考」の根底にある感情、それは「恐怖心」です。

「時間を守らなければ、相手に迷惑をかけてしまうかもしれない」

「成功させなければ、人から後ろ指を指されてしまうかもしれない」

「夢に向かって努力していなければ、自分の価値がなくなってしまうかもしれない」

私たちが「~すべき」にとらわれているとき、脳は根源的な恐怖を感じています。「恐怖心」の原動力はものすごいもので、苦しいにもかかわらず、私たちをその行動へと強く駆り立てます。

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はっさく

この「恐怖心」こそが、自己肯定感を下げてしまう大きな原因なんだ

恐怖心はとてもネガティブな感情です。恐怖心からくる「べき思考」で行動していると、現状を正しく認識することができなくなります。すると、失敗が許せなくなるだけでなく、自分や相手の悪いところばかりが目につくようになります。

「べき思考」が自己に向いているとき↓

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自分に厳しくなり、自らの自己肯定感を下げてしまう

「べき思考」が他者に向いているとき↓

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他者に厳しくなり、相手の自己肯定感を下げてしまう

このように、「べき思考」は自らの自己肯定感を下げてしまうだけでなく、他者に対する怒りとなって、相手の自己肯定感まで下げてしまうことがあります。

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はっさく

「~すべき」は自分の頭の中だけにあるもの。とらわれすぎると首が絞まっちゃうよ!

 

「べき思考」を緩める2つの方法

自分の中の「べき思考」に気づいたら、それを少し緩めてみましょう。

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はっさく

えっ?!「べき思考」って緩められるの?!

「べき思考」が染みついている人にとって、それはものすごく難しく感じるかもしれません。ここで大切なのは、「捨てる」のではなく「ほんのちょっと緩める」ということ。これなら随分とハードルが下がることでしょう。

先日あるワークショップに参加したときに、「べき思考」を緩める2つの方法を教えてもらいました。それが以下です。

 

①「それは本当?」と問う

成功させるべき、時間を守るべき、完璧にこなすべき・・・そんなべき思考にとらわれていると気づいたとき、すかさず自分にこう問いかけてみます。

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はっさく

それは本当?

こうしたキーワードを使うことで、「べき思考」を緩めていくことができます。

例)成功させるべき!

それは本当?失敗しても死なないし、また挑戦したらいいんじゃない?

 

②「〜するに越したことはない」と言い換える

「それは本当?」と問いかけてみたら、自分の中の「~すべき」をこんな言葉にいいかえてみましょう。

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はっさく

~するに越したことはない

「~すべき」は絶対的なものですが、「~するに越したことはない」には「でも○○という考え方もあるよね」と反論の余地がある表現です。この言葉を使うことで、「~すべき」が少し和らぐのがわかります。

例)(子どもに対して)宿題をすべき!

⇒宿題をするに越したことはないでも、何かできなかった事情があるのかもしれないな。

⇒「宿題しなさい!」が「宿題していないけど、どうしたのかな?」という表現に変化する。

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はっさく

これならできそう!

皆さんもぜひ試してみてください(^^)/

 

まとめ

今日は、完璧主義の人が陥りやすい「べき思考」についてお話ししました。以下にまとめます。

◆まとめ◆

●「べき思考」とは

「べき思考」=「~すべき」「~ねばならない」

・自分の中の「絶対守らねばならないルール」

 

●「べき思考」の原因

「べき思考」の原因は認知の歪み

・「認知の歪み」=事実とは歪んだ極端な捉え方

・認知の歪みが強くなる原因:発達特性、HSP、生育環境、教育・・・etc.

・認知の歪みは「自分色の色眼鏡」で世界を見ている状態⇒気づくのが難しい!

 

●「べき思考」が自己肯定感を下げるのはなぜか

「べき思考」の根底にある感情=恐怖心

・恐怖は現状を正しく認識できなくさせる。

自他に厳しくなり、自己肯定感を下げてしまう原因に!

 

 ●「べき思考」を緩める2つの方法

「それは本当?」と問う

「〜するに越したことはない」と言い換える

「べき思考」に気づくことは難しいですが、気づくことで8割の問題は解決しているといわれています。私も「べき思考」を少しずつ緩めて、自分自身を許していきたいです。

(^^)/

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