グレーゾーンなわたしたち

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【注意!】ADHDの人にかけてはいけない6つの言葉

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※過去記事を読みやすくリライトしました☆

こんにちは。【ADHD夫を支える妻】はっさくです。

私の夫は発達障害グレーゾーン。ADHD(注意欠陥多動性障害)の傾向が強く、日常生活における不注意や衝動性に悩む、いわゆる「大人の発達障害」の当事者です。

今日のテーマは【ADHDの人にかけてはいけない6つの言葉

ADHD夫を支える妻の視点から、ADHDの人についつい言いたくなってしまう、でもそれを言ったら逆効果だよ、そんな6つの言葉(NGワード)を紹介します。

周囲がこの言葉を使うことで、ADHDの人の自尊心を傷つけてしまうかもしれません。

 

1.「いつやるの?」

ADHDの夫は、苦手な作業を先延ばしする癖があります。

先延ばし癖は怠けているように見えますが、実はこれ、脳内多動でパンパンの心や体を守る防衛本能のようなものです。

※詳しくはこちら↓

先延ばし癖を発動させているときのADHDの人は、こんな葛藤を抱えています。

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早くやらなきゃ!でも体が動かない・・・

そんなときに「いつやるの?」「まだ(やらないの)?」という声かけはNG!

ADHDの人を追い詰め、場合によっては先延ばし癖が強化されます(^0^;)

ここは急かしたくなる気持ちをぐっと堪え、本人のやる気をそっと見守りましょう。

期限が迫っている、タスクを忘れている、そんなときは、「〇〇の件はその後どうなったかな~?」というように、あくまでやんわりと(!)確認するのがベターです。

2.「また?」

ADHDの夫は何度注意しても同じミスを繰り返すことがあります。

例えば我が家では、「トイレットペーパーは切らした人が補充する」というルールになっていますが、夫はそれができません。

空っぽのペーパーホルダーに出くわす度に、「またかい!」と叫び出したくなるのが妻の本音・・・。

夫に限らず、ADHDの人の生活には不注意が絶えません。

ADHDの不注意の主な原因
  • ワーキングメモリが小さい(記憶にとどめられない)

  • 処理速度の遅さ(作業に人一倍時間がかかる)

  • 視覚認知能力の低さ(うっかり見落とす)etc.

※原因は人によって様々です

ちなみに夫の不注意の原因は、WAISの結果などから「頭の回転の速さに処理速度が追いついていないことが大きいのではないか」と医師から言われています。

※不注意に不注意を重ねる夫↓

不注意を繰り返すからといって、「また!?」「毎回毎回・・・もういい加減にしてよ!」などの叱責はNGです(>_<)

「また~」は、今回の失敗だけでなく、前回の失敗についても言及する言葉。ADHDの人の自尊心を深く傷つけます。

うっかりミスを見つけたときは、たとえそれが前回と同じでも、「(また)忘れているよ!」というように、「また」は心の中だけで言うようにしましょう(^0^;)

3.「何度言えばわかるの?」

夫と恋人同士だった頃のこと。待ち合わせに遅れてくる彼(2~3時間とか!)に、何度も「連絡くらいしてよ」と言いましたが、ちっとも変わりませんでした。

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はっさく

もう!何度言ったらわかるのよ!!!

泣きながらそう言い放ったこともしばしば。

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はっさく

私のことがそんなに嫌い?

そんな当時の私に一言言ってやりたい。

あなたのことが嫌いだから約束を守れないのではないのよ!

ADHDの人は、脳内多動により物事に集中しにくく、本人の意志とは関係なくミスをすることがあります。どれもこれもわざとやっているわけではないので、何度言えばわかるのよ?」といわれても困ってしまうだけなのです(^0^;)

4.「何で〇〇しないわけ?」

例えば夫が鍵をなくしてしまったとき、私はこんなことを言いたくなります。

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はっさく

何でちゃんとしまっておかなかったの?!

でもだいたいこう言われます。

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何でできないのかがわかれば今まで苦労してないよ!!

夫は「鍵をなくさないための方法」がわからないわけではありません。「頭ではわかっている鍵をなくさない方法を、いかに実行するか」に困り感を抱えています。

夫に必要な支援は、「何で○○しないわけ?」という非難ではなく、「何で○○できなかったのかを一緒に考え、次の失敗に備えること」なのだと、10年経ってようやく気がつきました。 

5.「やればできるじゃん!」

ADHDの夫は、すごく調子のよいときと「ポンコツ(←本人いわく)」のときの落差が大きいです。たしかに「やればできる」ときもあります。でも、調子の悪いときは別人のようになるのがADHDです。

「やればできる」「やっていないからできない」の裏返しです。この言葉を多用することで、「やればできるのに、できないのはサボっているからだ」というように、ADHDの人を精神的に追い詰めてしまうことがあります。

日々不安定な脳内多動と戦っているADHDの人を、どうか「調子のいいとの規準」だけで判断しないであげてください。

6.「次は気をつけてね」

先日、夫にこの言葉をかけたとき、次のように返されハッとしました。

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次もまたミスするかもしれないから、それは約束できないよ

ADHDの人を支える側のあり方として、「次のミスは絶対に許されない!」という厳格さは、ADHDの人へのプレッシャーにしかなりません。それに、支援する側もフラストレーションが溜まって消耗します・・・。

それよりは、「またミスするかもしれないけど何とかなるでしょ~★」という楽観的な姿勢でいる方が、双方にとってメリットが大きいのです。

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支援する側は、右の姿勢が圧倒的に楽(^0^;)!

ADHD夫を支える妻として、「ま、そういうこともあるね~」という気楽さを忘れないようにしたいです。 

7.まとめ

以上、ADHD夫を支える妻の視点から、ADHDの人にかけてはいけない6つのNGワードを紹介しました。

◆まとめ◆
  1. 「いつやるの?」
  2. 「また?」
  3. 「何度言えばわかるの?」
  4. 「何で○○しないわけ?」
  5. 「やればできるじゃん!」
  6. 「次は気を付けてね」

これらの言葉は、ADHD夫との生活の中で、私が「夫を追い込んでしまった!」と反省した言葉たち(いわば失言)ですσ(^◇^;)

ADHDに限らず、発達障害のある人は、周囲の心ない一言によって自尊心を傷つけられる経験をたくさんしています。

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はっさく

身近な人がちょっと言葉を意識するだけで、発達障害のある人の自尊心を守ることができるのでは?

そんなことを思い、記事にしました。

発達障害者を支えるご家族やパートナー、支援者の方々へのヒントとなれば幸いです。

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