こんにちは。【ADHD夫を支える妻】はっさくです。
私の夫はADHDのグレーゾーンで、日常生活におけるうっかりミスが絶えません。
夫が特に苦手とするのが、お金の手続きです。
これは1年ほど前の出来事。
夫に有給をとってもらい、一緒に銀行へ行ったときのことをお話しします。
そのとき目の当たりにしたのは、苦手を前にして激しく狼狽する夫の姿。
私は言葉を失ってしまいました。
※当時の記事を加筆修正したよ!
お金の手続きが苦手な夫
夫はADHDのグレーゾーン。大人の発達障害の当事者です。
社会人になって金銭トラブルが絶えなかった夫。
心療内科を受診して初めて夫のADHD特性を知りました。
夫の「苦手」、それは役所の煩雑な手続きや、お金に関する手続きなどでです。
ミスをする
↓
落ち込む
↓
またミスをする・・・
この繰り返しで苦手意識は強化され先延ばし癖も発動。
※ADHDの先延ばし癖↓
妻とのケンカも絶えず、心に深いトラウマを負った状態です。
毎月のように起こる金銭トラブル
引越しをしてから住所変更や口座変更などの手続きが滞り、支払いの漏れやミスが毎月のように起こっています。
先日、とうとうガス会社から契約を切られてしまいました・・・
現在、契約の名義のほとんどが夫になってます。
夫本人しか手続できないものもたくさんあるのです。
また、銀行の窓口は平日しかあいていません。
手続きのために、仕事の合間に時間を取る必要があります。
これが実に厄介!
忙しさゆえにタスクを忘れてしまったり、ミスを連発したり、お得意の先延ばし癖を発動して問題になかなか向き合えなかったり・・・期限だけがどんどん迫ってくるのです。
※特定の予定だけを「先延ばす」男↓
初めての「ついてきてほしい」
そしてある日、夫がこんな言葉を口にしました。
自信がないから、銀行についてきてほしい・・・
こんなことをいわれたのは初めてでビックリ(゜д゜)!
今まで苦手を先延ばしするなど、問題に蓋をしてしまいがちだった夫。
夫はいつも、人から助けてもらうことをひどく嫌いました。
問題を1人で抱え込み、小さなミスを連発。
それが見えないところで大きな問題に発展・・・
このことにいつも頭を抱えていました。
夫が人に頼りながらも、少しずつ問題と向き合おうとしている!
さっそく私は、夫に有給を取ってもらい平日の銀行に足を運びました。
夫の「困り感」を目の当たりにした
銀行へ行く日の夫は、朝から挙動不審。
ため息も頻繁についています。
「終わったらカフェでも行こう!」などと楽観的な私とは全然違いました。
お金に向き合うことは、彼にとっては本当にエネルギーがいることなのでしょう。
月曜日のATMは人で溢れかえっています。
私と息子は列の外で待っていることにしました。
そしてようやく夫の番!
この後私は、夫の「困り感」を目の当たりにすることになりました。
ATMの前に立つ夫は、うまくいかないことがあるのか、タッチパネルを何度も操作しては頭をかき、上を見たり後ろを見たり、とにかくキョロキョロ・・・。
丸い背中、震える手、せわしなく動く両足・・・遠くから見ても明らかにパニックになっているとわかるほどでした。
(後で聞くと、横の人のタッチ音が気になる、後ろの人にのぞき込まれている気がするなど、いつもATMに立つだけで注意散漫になり、手続きどころではなくなるそう・・・)
だいぶ時間がかかって、ようやく帰ってきた夫。
やっぱ苦手・・・無理
夫はそういって、たくさんの人がいる中でポロポロ泣き出したのです。
私は、初めて見る夫の姿にビックリするやらショックやら・・・
あまり気の利いた言葉をかけてあげられませんでした。
苦手だとは思っていたけど、まさかここまでだとは・・・
結局、必要な手続きは半分ほどしか終わりませんでした。
ついてきてくれてありがとう。少し冷静になれた
夫にはそういわれましたが、この日以来、私はずっとモヤモヤしています・・・。
どうやってフォローしたらいいのか
今後どうやってこの問題と向き合っていったらいいのか。
正直答えは出ていません。
お金の手続きがそんなに苦手なら、いっそ私がやってしまえば・・・と思い、
お金のこと、全て私に任せてくれたらいいのに
と提案してみました。でも夫は、
まかせてしまうと楽だろうけど、できないという烙印を自分に押してしまうようで恐い。もう少し自分でがんばってみたい
とのことでした。
なるほどそうなるか。
それなら当面は本人の意思を尊重して優しく見守るのがいいのでしょう・・・。
夫を大らかに見守るスキル。
何が起きても責め立てないスキル。
これらを体得すれば自体はよい方向へ向かいそうです。
夫を応援したいのなら、まずは私が変わらないと!
ということで、現在、夫のミスに対して瞬間湯沸かし器みたいに夫を攻撃しないよう、自分の怒りをコントロールする練習中です。
(^^;)/
***追記 あれから1年後***
その後わかったのは、苦手に向き合うことだけでなく、苦手を手放す(=できない自分を受け入れる)こともまた、自尊心を大きく傷つける可能性があるということ。
ここに、大人の発達障害の難しさがあります。
この日から1年後、夫は自分から「苦手」を手放し、金銭管理の権限を私に全面的に任せてくれるようになりました!
信頼を勝ち取るまでが長かった・・・!
葛藤もありましたが、現在夫は「心がすごく軽くなった」といってくれています。