こんにちは。【ADHD夫を支える妻】はっさくです。
【教育現場のグレーゾーンな子どもたち】④
このシリーズでは、元教師はっさくが、学校をはじめ様々な教育現場で出会った「生きづらさ」を抱えた子どもたち(または自分自身)の話をします。
・教室の「中心」から「周辺」に追いやられた子どもたち
・「普通」という枠からはみ出た子どもたち
・白にも黒にもなりきれない「グレーゾーン」な子どもたち etc.
発達障害児(グレーゾーン含む)はじめ、私が出会ったたくさんの子どもたちを紹介します。
※詳しくはこちら↓
今日は「罪悪感の見えづらい子ども」の話です。
1.罪悪感の見えづらい子ども
私が出会った発達障害児やグレーゾーンの子どもたち-発達凸凹を抱える彼らの多くに共通していたことは、「罪悪感の見えづらさ」でした。
例えば、私の学級にはDという児童がいました。Dはいつも友達とのトラブルが絶えませんでした。
Dはとても人懐こい性格でしたが、人との距離感をつかむことがとても苦手でした。
考えるより先に手が出てしまい、それがトラブルに発展してしまうことが多々ありました。
彼の周りでは以下のようなことが頻繁に起こりました。
- 友達とのケンカ手が出て相手に怪我をさせてしまう
- 教室で大暴れして思わず物を壊してしまう
- スキンシップのつもりが相手を泣かせてしまう
- 「貸して」が言えず友達の物を奪い取ってしまうetc.
Dは叱られると決まって、
- 目が泳ぐ
- 返事を全くしなくなる
- 強く反発する
- 暴言、暴力がエスカレートするetc.
というような行動をとります。
Dの行動からは、問題行動や相手を傷つけたことに対する罪悪感(反省の態度)が見られないことが多く、そのことが周囲の気持ちを逆なでするのです。
「Dは全く反省していない!ひどい奴だ!」
Dに突然暴力を振るわれた児童からすれば、そう感じることもしばしば・・・。
そんなDは、離れた場所でクールダウンしてから話を聞くと、「悪かった」「ひどいことをしてしまった」と素直に反省できることもあります。しかしその状態になるまでには随分時間がかかります。
2.「罪悪感の見えづらさ」の原因
Dに限らず、発達凸凹を抱える子どもは、問題行動に対する罪悪感や反省の態度が見えづらいことがあります。
それでも彼らは決して「ひどい子」なわけではありません。彼らの「罪悪感の見えづらさ」には様々な原因があります。
*心の理論・・・他者の気持ちを想像・理解しようとする能力。通常は4歳後半~5歳頃に発達するとされています。
3.「罪悪感が見えづらい」と叱られすぎる
Dのように、問題行動の大きさに比べて「罪悪感が見えづらい」子どもたちは、叱られすぎる傾向にあります。
先ほど紹介したDは、家でも学校でも繰り返し叱られているせいか、褒められているのに「叱られる!」とビクッと構える姿も見られ・・・
「訳もわからず繰り返し叱られる」-このことが大きな心の傷になっているようでした。
このように、通常学級にいるグレーゾーンの子どもたちは、困り感に寄り添うどころか、深く傷つけられてしまうことがあります。
4.「罪悪感の見えづらい子ども」への接し方
Dのような子どもに接するヒントは以下です。
見せかけの態度に振り回されず、その子自身をしっかり観察する目を持とう
5.まとめ
今日は「罪悪感の見えづらい子ども」についてお話ししました。
支援学級在籍の有無にかかわらず、発達凸凹のある全ての子どもの困り感に寄り添う
現実はなかなか厳しいけれど、そんなことを毎日思いながら教壇に立っていました。
(^^)/