こんにちは。【ADHD夫を支える妻】はっさくです。
今日のテーマは「発達障害と量感」。発達障害のある人は「量感(=目分量、およその感覚)」をつかむことが苦手な場合があります。
今日は「茶碗一杯」をつかむことが苦手な夫の例から、発達障害のある人が量感をつかむことが苦手な原因と対策について考えます。
1.「茶碗一杯」に頭を悩ませる男
夫は料理がとても好きで、家族によくご馳走を振る舞ってくれます。しかしその一方で、夫は台所での小さな苦手を抱えていました。それは「茶碗一杯がわからない」ということです。
以前、よくご飯を炊き忘れる夫のことを、
また「うっかり」炊き忘れてる!
と思っていたのですが、原因は「うっかり」だけではありませんでした。
夫はどうも量感が弱いみたいで、「コップ1杯」「お茶碗1杯」などが、器の形が変わると途端にわからなくなってしまいます。例えばジュースなども、パックの残量を見ただけでは、コップに何杯分くらい残っているか全く把握できないといいます。
これと同じことがご飯にもいえます。
「お釜の中に残ったご飯が茶碗何杯分くらいなのか」がわからないので、炊くタイミングがイマイチわからないらしいのです。
(過去記事より)
上にある通り、夫の苦手は「茶碗一杯」だけではありません。
牛乳パックにあとコップ何杯分くらいの牛乳が入っているのか、鍋に入ったスープがお椀何杯分なのか・・・
妻に「朝の分だけ残してね」と言われたスープを悪気なく飲みすぎてしまったり、「あと1杯分はある」と思った牛乳がコップ半分に満たない量だったりなど、目分量を誤ることがしばしばあります。
ぱっと見ただけでは全く把握できないよ~
2.原因は「量感」にあった?!
夫が「茶碗一杯がわからない」原因は、量感の弱さにあります。
量感とは、測りを使わずにある量の大きさの見当をつけたり、ある単位で示された量が実際にどれくらいの大きさになるかの見当をつけたりするための、「およその感覚」のことです(量感|算数用語集)。
量感は、数学的思考に限らず、日常生活を合理化するためにとても大切なものです。
茶碗一杯は大体これくらいの量かな
家から駅まで大体10分くらいかかるな
この荷物の量だと多分カバンに入りきらないな
etc.
私たちは無意識のうちに量感を働かせながら生活しています。
3.「量感がつかめない」のはなぜ?
夫に限らず、発達障害(特にLD)のある人は、量感をつかむことが苦手な場合があります。量感がつかめない理由は以下が考えられます。
※ちなみに空間認知能力が低いと、以下のようなことが起こります。
【日常生活】
- 物にぶつかる
- 片付けが苦手
- ボタンを掛け違える
- 服を前後ろ逆に着る
- 物が探せない
- 道に迷うetc.
【学習面】
- 運動が苦手
- 文字を書くことが苦手
- 図形が苦手
- 集中が持たないetc.
4.「量感がつかめない」ことへの対策
量感がつかめない夫、対策はあるのでしょうか。
ここで頭をよぎったのは、小学校教諭時代の記憶です。
例えば低学年の算数で「かさ」の勉強をしたとき、「形の異なる2つの容器に入った水のかさを比べる」という課題がありました。
容器の高さ、太さなどからあれこれ推測してもらうのですが・・・最後は同じ大きさのカップを使って、どちらが多く入っているのかを実際に比べます。
また、繰り上がりの計算などでは、量感がつかみにくい子どものために、タイルなど数えられる具体物を使って思考を補助します。
このように、抽象的思考の難しい低学年の子どもに対しては、思考ではなく、実際に手を動かしたり、具体物を使ったりして量感を補います。
夫も、あのときの子どもたちと同じなのかも?!
子どもに限らず、発達障害があって量感をつかむことが苦手な場合は、以下のように適切に補うことで、困り感を減らすことが可能です。
5.まとめ
今日は、「茶碗一杯」をつかむことが苦手な夫の例から、発達障害のある人が量感をつかむことが苦手な原因と対策について考えました。
発達障害のある人は日常の些細なことでつまずくことがありますが、ひとつひとつに原因があります。原因を知ることで、少しずつ生きやすくすることができます☆
(^^)/