こんにちは。【ADHD夫を支える妻】はっさくです。
シリーズ【教育現場のグレーゾーンな子どもたち】②
久しぶりの投稿です。
元教師はっさくが、学校をはじめ様々な教育現場で出会った「生きづらさ」を抱えた子どもたち(または自分自身)の話をします。
・教室の「中心」から「周辺」に追いやられた子どもたち
・「普通」という枠からはみ出た子どもたち
・白にも黒にもなりきれない「グレーゾーン」な子どもたち etc.
発達障害児(グレーゾーン含む)はじめ、私が出会ったたくさんの子どもたちを紹介します。
※詳しくはこちらの記事↓
gray-zone-family.hatenablog.com
今日は「学校のトイレに立てこもる子ども」の話です。
学校のトイレに立てこもる子どもとの出会い
教師になる前、不登校や引きこもりをはじめ、学校や集団に馴染めない子どもたちのための加配職員として、複数の公立学校で勤務していました。
学級崩壊の現場、授業中に立ち歩く子ども、教室の外に飛び出す子ども、飛び交う暴言や暴力。そこには、教室の「中心」から「周辺」に追いやられたたくさんの子どもたちがいました。
彼らの姿が見えなくなると、私はいつも学校中のトイレを探しにいきました。機嫌を損ねると学校のトイレに立てこもる子どもが、決まって何人かいたからです。彼らは大人に見つけられるまで、薄暗いトイレの個室に立てこもってじっと息を潜めています。
見つけると大体、
「うるせー!!!」
「あっち行け!!!」
「クソババァ!!!」
などといわれるのですが( ^_^ ;)それでもめげずに探しにいきます。
彼らはどんな気持ちでトイレにいたのか
話は変わりますが、先日夫と喧嘩しました。
ばつの悪さでその場にいられなくなった私は、逃げるようにトイレに逃げ込み、しばらくそこでボーッとしていました。そのときふと、学校のトイレに立てこもっていた彼らのことを思い出し、彼らの気持ちがわかるような気がしました。
トイレは彼らにとってシェルターだったのです。
トイレの個室は四方を壁に囲まれており、薄暗くとても静かです。発達凸凹や感覚過敏のある子どもにとって、トイレの個室は学校内で外界の刺激を全て遮断できる唯一の場所です。ここにいれば自分を叱りつける先生の怒鳴り声も、自分を見つめる同級生からの白い目も、何もかもから逃れることができます。
彼らはここで、自分なりにクールダウンして自分を取り戻していたのだと思います。
「トイレに逃げ込みたくなる程」の学校の同質性。
そういったものに息苦しさを感じる子どもたちは、彼ら以外にも大勢います。
私もそんな子どもの1人でした。
そっと1人にして、でも見捨てないで
私自身がトイレに立てこもってみて、わかったことがもうひとつあります。気持ちをクールダウンした後、トイレから出るタイミングがいまいちわからなくなるのです。
私の場合、家族は誰1人として声をかけてくれず・・・(夫と息子は私を忘れ、居間ではしゃいで遊んでいましたorz)
大の大人がトイレに立てこもり、後にすごすご出ていくバツの悪さといったら・・・!!
そして思ったのです。あのときの子どもたちも、そうだったのかもしれないなぁと。
口ではものすごい暴言を吐きながらも、彼らは本当の1人を望んでいるわけではありません。
「うるせークソババア!!どっかいけ!!」という言葉の裏に、どこか人懐こさが残っているあの感じ。まるで「1人にしないで」「私(僕)を見て」といっているようだったなぁと。
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トイレに立てこもった子どもたち。
彼らを大人の都合で無理矢理引きずり出してはいけません。
彼らのシェルターを奪ってはいけません。
彼らはそこで、自分自身を一生懸命取り戻しています。
なるべくそっとしてあげて、でも完全に無視してはいけません。
ちょうどいい頃合いで誰かにそっと声をかけられると、自然に出てきやすくなります。
また彼らが出てきたときに、周囲が何事もなかったように自然に接してくれることも大切ですね。
(^^)/
※シリーズ「学校現場のグレーゾーンな子どもたち」↓↓