こんにちは。【ADHD夫を支える妻】はっさくです。
「ADHDの集中力を飛躍的に高める方法」後編、ついに本題に入ります!
前編はこちら↓
gray-zone-family.hatenablog.com
今日は、ADHDの人が集中できない理由と、すぐにできる対処法を紹介します。
ヒントは「あの時代」の習慣だとか…?!
集中力のメカニズム(おさらい)
前回、「人が集中するときの脳の働き」を紹介しました。
脳の中で集中力との関係が深い場所、それは報酬系と前頭葉です。
①脳がその行為を「生きるために必要」と判断
②報酬系からドーパミンが出る
③気持ちいい!もっとしたい!と思う
④ドーパミンで前頭葉の働きも活発に!
⇒行為に集中することができる!
ADHDの集中力を飛躍的に高める方法【前編】~人が集中するときの脳 - グレーゾーンなわたしたち
しかし!
ADHDの人の脳は少し厄介です(°°;)
ADHDの人の報酬系システムは特殊で、上のような状態にスムーズに持っていくのが難しいのです。
ADHDはなぜ集中できないのか
ADHDの人は、なぜ集中できないのか。
理由は3つあります。
その1:「報酬系の閾値が高い」
報酬系の「閾値が高い」、簡単にいえば、「より強い刺激がないと気持ちよくなれない」ということです。
生まれつきADHDの人は、普通の人よりも報酬系のドーパミンの受容体が少ないことがわかっています。
刺激を受けてドーパミンが分泌されているにもかかわらず、その受け皿が小さいがために、快感を得られない。
するとその行為になかなか集中できず、すぐに気が散ってしまうというわけです。
ADHDの人が集中力を発揮するには、より強い刺激を受けてドーパミンをたくさん分泌し、報酬系を人一倍活性化させる必要があります。
その2:「脳内の雑音が大きい」
ADHDに限らず、脳内には唸りのような雑音が常に鳴り響いています。
脳細胞が自発的に動くたびに鳴るその音は、決して止むことはありません。
私たちがそれを気にしないでいられるのは、ドーパミンが雑音のボリュームも下げてくれているからです。
しかしADHDの人は、脳内の雑音がとても大きいといわれています。
ADHDの人は、周囲に雑音がなくても、内部の雑音がうるさすぎて、物事に集中しにくいのです。
人一倍大きな雑音を消すためには、それ相応のドーパミンが必要になります。
その3:「現代社会の環境要因」
1や2はADHDの脳の特性であり、それ自体でいいも悪いもありません。
しかし、ここに3の「現代社会の環境要因」が加わると、自体は悪い方向へと向かいます。
いいかえれば、ADHDの人が集中できない最大の原因は、「現代社会に生きていることそのもの」にあります。
自動化・機械化が進む一方で、体を動かす機会が極端に少ない現代社会。
ADHDの人にとっては刺激が少なく、常にドーパミン不足の状態が続きます。
現代社会の便利さそのものが、ADHDを集中できなくさせているのです。
ADHDが集中力を高めるヒントは「あの時代」にあった?!
ADHDの人の集中力を飛躍的に高めることは可能なのか。
答えはYES!
ヒントは、以前紹介した「あの時代」にあります。
ADHDが恩恵だった「あの時代」
先日書いた記事の中で、ADHDの特性が「恩恵」だった時代の話をしました。
それは・・・
「狩猟採取時代」!
遠い昔、人々は食べるために狩りをし、生きるために未知の環境を開拓し続けました。
この次々と新しい刺激の生まれる厳しい環境こそが、ADHDの人が最も集中力を発揮できる環境です。
詳しくはこちら↓
gray-zone-family.hatenablog.com
ADHDの人が集中するためには、狩猟採取時代の習慣を取り戻せばいいのです。
「あの時代」の習慣を取り戻す
とはいっても、時代を遡ることはできません。
そこでどうするか。
現代社会の中で狩猟採取時代の決定的な生活習慣を再現すればいいのです。
動く!動く!とにかく動く!
運動こそが、ADHDの人の報酬系を活性化させる最も効果的な方法です。
ADHDの人に限らず、私たちのDNAの中には、狩猟採取時代の名残として「運動=生存のために必要」と深く刻まれています。
人は誰しも、体を動かすと報酬系が活発に働き、集中力が高まります。
そして、ADHDの遺伝子が最も輝いていた時代は、人類が最も運動していたこの狩猟採取時代だといえます(↑詳細は前回の記事)。
ADHDの人は、体を動かすことで感覚が人一倍研ぎ澄まされ、高パフォーマンスを発揮できるすばらしい脳を持っています。
ちなみに、運動で集中力回復にかかる時間は、なんと「最短5分」だそうです。
ある研究によれば、わずか5分ほど身体を活発に動かすだけでも子どもの集中力が改善され、ADHDの症状も緩和されるという。
(アンダース・ハンセン「一流の頭脳」2018、サンマーク出版(P123))
具体的には、
①心拍数が上がる運動(歩くよりも走る!)
②1回30分以上は続ける
③なるべく日中の早い時間に行う
それだけで、日中しばらくは集中しやすい脳の状態をキープすることができます。
集中したいタスクの前に行うのも◎
ADHDの人に限らず、集中力を保ちたい全ての人に効果的な方法です。
まとめ
今日は、ADHDの集中力を飛躍的に高める方法をお伝えしました。
<ADHDの人が集中できない理由>
①報酬系の閾値が高い
②脳内の雑音が大きい
③現代社会の環境要因(運動習慣の減少)
⇒運動習慣の減少がADHDの「注意散漫」を誘発!
<対処法>
「狩猟採取時代」の人のように体を動かす!(運動習慣をつける)
・DNAに刻まれた記憶:「運動=生存のために必要」
・運動で報酬系が活性化
・ドーパミンが大量に分泌
⇒運動習慣によってADHDの集中力は飛躍的にUP!
ADHDであっても、少しの工夫で集中力を取り戻すことができます。
運動習慣、是非取り入れてみてください☆
(^^)/
<参考>アンダース・ハンセン「一流の頭脳」2018、サンマーク出版(P96ーP134)。