こんにちは。【ADHD夫を支える妻】はっさくです。
私の夫は発達障害グレーゾーン。
ADHD(注意欠陥多動性障害)の傾向が強く、日常生活における不注意や衝動性に悩む、いわゆる「大人の発達障害」の当事者です。
今日のテーマは「自立」。
発達障害のある人が自立することの意味について考えます。
自立とは
普段何気なく使っている「自立」という言葉。
自立の意味を調べてみると、このように書かれています。
じ-りつ【自立】
他への従属から離れてひとりだちすること。
他の力を借りることなく、また他に従属することなしに存続すること。
つまり自立とは、誰かに頼ることなく、自分の力だけで存在している状態を指します。
例えば・・・
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身の回りのことを自分1人でできること
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読み書き計算などのスキルが身についていること
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他人とうまく関係を築けること
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自分の力でお金を稼ぐこと
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自分の強みと弱みを理解していること
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自分の良さを社会の中で発揮できること etc.
これらができてようやく一人前になれる。そんな風潮があるよね。
福祉の分野でいう「自立」
しかし、福祉の分野でいう「自立」は、辞書的な意味とはちょっと違います。
「自立」とは、「他の援助を受けずに自分の力で身を立てること」の意味であるが、福祉分野では、人権意識の高まりやノーマライゼーションの思想の普及を背景として、「自己決定に基づいて主体的な生活を営むこと」、「障害を持っていてもその能力を活用して社会活動に参加すること」の意味としても用いられている。
難しく書いてありますが、福祉の分野でいう「自立」を一言でいうとこうなります。
その人がその人らしく主体的に生きている状態!
注目してほしいのは、ここでいう「自立」は、必ずしも「自分の力だけで」成し遂げる必要はないということです。
自立のために誰かに頼ることは、その人がその人らしく生きるための当然の権利なんだ。
発達障害のある人が「自立する」ということ
発達障害のある人が自立するために必要なことは何でしょうか。
先日テレビで、精神科医の本田秀夫さんが、「発達障害と自立」をテーマにお話しされていました。
本田さんいわく、発達障害のある人が自立するためには、以下の力を身につけることが大切だと。
ここでいう「自立」もまた、1人で何とかする力のことではありません。
自分の能力をよく理解し、自分にできることとできないことを判断すること。
また、できないことは上手に人に頼ること。
課題を1人で抱え込まず、どれだけうまく人に頼れるか-それが自立にとって最も大切なことだといいます。
参考:NHK Eテレ ハートネットTV 「教えて!本田先生~"発達障害"お悩み相談の旅~」
ADHDの夫は「頼ること」が苦手だった
ここで少し夫の話をします。
「大人の発達障害(ADHD)」の夫は、お金の管理が苦手でたくさんのミスをします。
しかし夫は、「できない自分」を受け入れ、人に頼れるようになるまでに、ものすごく時間がかかりました。
大人になって、大きな壁にぶつかって、初めて知った自分の特性。
当然ながら、セルフイメージと現実とのギャップがとても大きく・・・そのことにかなり苦しんできました。
また夫は以前、私にこんなことをこぼしていました。
俺は昔から「できない自分」を受け入れられたことがない。人に頼るのも苦手で、今更どうやって頼ったらいいのかわからない。大人になってかなり苦労してるよ・・・
自分の特性を知り、できることとできないことを理解する。
そして、できないことは潔く人に頼る。
夫は今、家族に対して「頼ること」を練習中です。
※「できないことへの支援」がなかった夫の幼少期について↓
「自立の芽」は幼少期から~親ができる関わり方
夫を見ていて思うことは、特性のある子どもの「自立の芽」は、できれば幼少期から育んでほしいということです。
子育て中は、子どもの自立を促したいあまり、ついこんな言葉をかけてしまいがち。
それくらい自分でやりなさい!
しかし、これは特性のある子どもを自立とは正反対の方向へ導く言葉です。
本田さんもおっしゃっていましたが、発達障害のある子どもにはむしろ、
困ったことがあったら誰かに頼ろう!
という言葉をたくさんかけてやってほしいです。
(私は今、夫にそんな言葉をたくさんかけるようにしています!)
まとめ
今日は、発達障害のある人が自立することの意味を考えました。
自治体には発達障害者支援センターをはじめ、自立を支援する場所がいくつかあります。
発達障害のある人もその家族も、「自立しなければ!」と課題を1人で抱え込むことなく、ときに誰かの助けを借りて、その人らしく生きてほしいと思います☆