こんにちは。【ADHD夫を支える妻】はっさくです。
私の夫は発達障害グレーゾーン。
ADHD(注意欠陥多動性障害)の傾向が強く、日常生活における不注意や衝動性に悩む、いわゆる「大人の発達障害」の当事者です。
今日はちょっと嬉しい報告です。
それは、ADHDの夫がある苦手に立ち向かい、苦手を少しずつ克服しているという話。
夫の苦手、それは銀行やATMでのお金の手続きです。
銀行やATMでの手続きが苦手すぎて、これまでたくさんの金銭トラブルを起こしてきた夫。
何度やってもミスが起こる!
苦手克服のポイントは、「小さな成功体験の積み重ね」にありました。
お金の手続きが大の苦手な夫
ADHDの夫が最も苦手とすること、それはお金の手続きです。
結婚してからというもの、夫の周りでは金銭トラブルが絶えませんでした。
あらゆる支払いの滞納を繰り返し、クレジットカードのトラブルを抱え、借金や裁判所からの通達、給与差し押さえなども複数回経験しています。
ADHDの夫がお金の管理や手続きを苦手とする理由は、夫が単に「お金にルーズだから」「だらしない性格だから」ではありません。
以前、ATMの前に立つだけで手が震え、泣き出す夫を目の当たりにしました。
この人のこれは「怠慢」ではなく、本当に、涙が出るほどの「苦手」なんだ。
そのときにそう悟りました。
※夫の困り感を目の当たりにした日↓
夫の苦手の背景には、以下のようなことがあります。
悪循環の末、夫はお金の問題を頻繁に先延ばすようになりました。
流れて、流れて、流れまくる予定~ADHD夫は特定の予定だけを先延ばす?!
今度こそ向き合おう!と意気込んだ日も、理想と現実のギャップに玉砕し、泣く泣く帰ってきました・・・。
支払いが上手くいかず、そうこうしているうちに、なんと全ての口座振替がストップしてしまい・・・
あらゆる信用を失った・・・
ここ最近はあらゆる支払いが全て手払いになっており、そのことが夫の苦手意識を加速させています。
苦手を「手放す」決断をしたものの・・・
それまで「自分の問題は自分で何とか解決したい!」と言い張っていた夫。
のちに大きな金銭トラブルに発展してしまい、昨年ついに、夫は苦手を自ら手放す決断をしました。
自分の苦手を手放すことは、とても勇気のいることです。なぜならそれは、「できない自分を受け入れる」ことに等しいからです。
・・・大人の発達障害当事者が苦手に向き合い続けることは、ときに自尊心を大きく傷つけます。しかし、苦手を手放すこと(=できない自分を受け入れること)もまた、自尊心を大きく傷つけるものなのだと、夫を見ていて強く感じました。
人並みにできるようになりたいというプライドと、苦手を抱え続ける苦しみ。
両者を天秤にかけたうえで、金銭管理の全権限を妻に移行することに同意してくれたのです。
妻を信頼し、苦手を手放してくれるまでが長かった・・・!
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あれからもうすぐ1年。
お金のあれこれを妻に託すことで、苦手に向き合う強いストレスから解放された夫。
当たり前ですが、私がお金の主導権を握るようになってから、大きな金銭トラブルは起きなくなりました。
そして・・・
夫の気持ちは、再びこんな方向にシフトしてきたのです。
ATM、もう一回挑戦してみようかな?はっさくもいるし、今なら落ち着いてできる気がする!
ADHD夫、「小さな成功体験」を積み重ね中!
そんなとき、思わぬ事態が起きました。
月末のお金の手続き、今日しか無理やったのに…息子発熱…詰んでる😇
— はっさく🍊ADHD夫を支える妻 (@grayzone_family) 2021年10月25日
そこで最終兵器の夫(ADHD)登場。夫にATMを操作させるとろくなことがないのだけど…手順を書いたリストも渡したし!お金下ろしてもらうだけやし!何なら電話で遠隔操作してもいいし!本当に!ただ無事を祈る!😭#ADHDの手も借りたい
なんと息子の体調不良で、夫が私の代わりに数ヶ月ぶりに銀行手続きをすることになったのです。
とりあえず、夫がATMの前で再びパニックに陥らないよう、手続き内容を事細かにリスト化しました。
リストを見てもわからなければ電話して!パニックになったら遠隔で私が指示を出すから!(←ADHDの手も借りたい妻)
そして夫の再チャレンジが始まりました。
汗だくでATMと向き合うこと40分。
なんと夫は、全ての手続きを完璧に成功させてきました!
やればできるじゃん、俺★
この一件で、夫は少し自信を取り戻したようです。
その後も息子の幼稚園の月謝を下ろしてきてくれたり、生活費を下ろしてきてくれたり、ちょくちょくATMの操作をしています。
相変わらずプルプル滝汗かくけど、操作は間違えなくなってきた!
ゆっくり落ち着いてやれば、俺でもミスしないのかも!?
そんな前向きな言葉も聞こえるようになってきました。
そして迎えた聖なる夜には、こんな大健闘も↓
昨夜の夫、仕事終わりに銀行に直行し、滝汗かきながら苦手な月末手続きを自力で成功させてきた!😭👏✨……それと引替えに通帳2冊と会社の鍵を紛失してきた(!!)が……夫の奮闘は空飛ぶサンタも目を見張るほどだったはず…!😭😭#ADHD #小さな成功と引替えに大切なものを失ったクリスマスイブ
— はっさく🍊ADHD夫を支える妻 (@grayzone_family) 2021年12月25日
うちの夫、ちょっとすごくないですか!?
とはいってもまぁ、ADHDなので・・・ポロポロと抜けるものは抜ける(笑)
あの聖なる夜の落とし物(通帳)は優しい誰かが拾ってくれましたが、未だ受け取りに行っていません!
仕事も忙しいし・・・まぁ逃げるわけじゃないしね★(←絶賛先延ばし中)
それでも、ここ数ヶ月の「小さな成功体験」の積み重ねで確実に進歩している夫!
妻は嬉しく見守っています。
まとめ
今日は、ADHD夫がお金の「苦手」を少しずつ克服しつつある話をしました。
発達障害のある人の抱える苦手は、ときに手放した方がいい場合があります。
苦手に向き合いすぎることで、うつなどの二次障害を発症してしまうケースも少なくないからです。
それでも、夫のように大きなコンプレックスを抱えていても、小さなきっかけで少しずつ苦手を克服していけることもあるのだと。
夫からは、日々驚きと勇気をもらっています。
※夫のADHDと借金の話↓↓
※発達障害とトラウマの話↓↓