こんにちは。【ADHD夫を支える妻】はっさくです。
今日は久しぶりにHSP関連の話題を取り上げます。
ここ数年でHSP(人一倍敏感な人/Highly Sensitive Person)の知名度は大きく上がりました。
私もHSPを自覚して数年。
長年の生きづらさの原因が少しずつわかるようになってきました。
HSPの生きづらさを加速させている大きな要因に「過敏さ(過敏性)」があります。
感覚過敏などがその例です。
一方で、「ネガティブさ(ネガティブな認知)」もまた生きづらさを加速させる大きな要因といわれています。
今日は「過敏さ」と「ネガティブさ」はどちらがより生きづらいのかを考えます。
※過去記事を読みやすくリライトしました。
1.過敏性とは
はじめに「過敏性」について少し解説します。
過敏性については「感覚過敏」という言葉がよく知られています。
しかし、過敏性は実は感覚過敏だけではありません。
過敏性は大きく2種類に分けられます。
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神経学的過敏性:音や光に敏感など、身体の反応に強く表われるもの。感覚過敏はこちら。
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心理社会的過敏性:傷つきやすい、人の顔色を伺うなど、心理的・社会的両側面で強く表われるもの。
神経学的過敏性は「感覚過敏」や「順化抵抗(慣れにくさ)」と関係が深いといわれています。
身体感覚が鋭すぎるせいで環境への適応が難しくなる、これはイメージしやすいですね。
感覚過敏が強くなる背景には、しばしば発達障害(自閉スペクトラム症/ASD)の特性が潜んでいることがあります。
このように、神経学過敏性は遺伝的要因など先天的なものが大きくなります。
一方、心理社会的過敏性は「愛着不安」や「心の傷」と関係が深いといわれています。
愛着不安から人との関係が気づきにくい、人の顔色を気にしすぎてしまう、そういった意味での過敏性です。
また、虐待や過去の体験のトラウマなどから対人関係にコンプレックスを抱えてしまった場合の過敏性もこちらに含まれます。
このように、心理社会的過敏性は育ってきた環境や母親との関係など後天的なものが大きくなります。
同じHSPと呼ばれる人の中でも過敏性の方向性は人それぞれ。
「生きづらさ」も人それぞれだといえます。
ちなみに私は過敏性のテストの結果、心理社会的過敏性がとくに強いということがわかりました・・・(;´Д`)
2.「過敏さ」と「ネガティブさ」、生きづらいのはどっち?
生きづらさと関係のあるものは過敏性だけではありません。
例えば「ネガティブさ(ネガティブな認知)」は生きづらさと関係があります。
経験上、ネガティブな認知が強くなるほど「生きづらい」と感じるよ
最近いわれているのは、考え方がネガティブかポジティブかということは幸福度に大きく影響するということです。
実際、書店の心理系のコーナーをのぞけば、「ネガティブ思考の攻略法」的なものから「こうすればポジティブ思考になれる!」的なものまで、様々なハウツー本を見かけます。
行過ぎたネガティブ思考が心身の健康をむしばむということは、様々な研究でも裏付けられているのです。
さて、ここからが本題です。
過敏さとネガティブさ、生きづらいのはどちらでしょうか。
結論を先に述べます。
なんと、ネガティブさよりも過敏さの方が生きづらさとの相関関係がより強いのです!
ここである調査を紹介します。
過敏性とネガティブな認知が、社会適応度・生きづらさ・幸福度とどの程度関係しているかを調べたものです。
上の図のから読み取れる結果はこうです。
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過敏な人とネガティブな人、どちらも社会適応度や幸福度は低く、生きづらさを感じている。
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過敏な人はネガティブな人よりも、社会適応度が低く生きづらさが強い。
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心理社会的過敏性のある人は、神経学的過敏性のある人よりも、幸福度が低く生きづらさが強い。
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心理社会的過敏性は、生きづらさと強い相関関係がある(絶対値0.7以上)。
生きづらさの順で示すとこのようになります。
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心理社会的過敏性のある人(心が敏感)
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神経学的過敏性のある人(体が敏感)
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ネガティブな認知の人
考えてみれば、ネガティブな認知は何も悪いことばかりではないですよね。
ネガティブはうまく生かせば危機回避能力に繋がります。
私自身そうやって何度も人生の危機を回避してきましたし。
ちなみに、ポジティブとネガティブの比率は4:1が望ましいそうです。
3.まとめ
今日は、「過敏さ」と「ネガティブさ」について、両者の生きづらさとの相関関係を考察しました。
これを書くに当たり、自分自身の生きづらさの原因がはっきりしてきました。
私の生きづらさはネガティブな認知よりも心の過敏さにあったのですね・・・。
皆さんはどうですか?感想などお待ちしています☆
<参考>岡田尊司『敏感で傷つきやすい人たち HSPの真実と克服への道』幻冬舎、2017、第1章。