こんにちは。【ADHD夫を支える妻】はっさくです。
久しぶりに実家に帰省中ということもあり、実家の家族の話をします。
私の実家は発達凸凹一家。私も含め、家族全員が特性由来の「苦手」や「生きづらさ」を抱えながら生活しています。
今日は、家族の中でもひときわASD特性の強い父が、日常動作でパニックに陥らないために行っている「小さな工夫」を紹介します。
1.私の父は典型的なASD
父は家族の中でひときわASD(自閉症スペクトラム/アスペルガー)特性の強い人です。
本人はあまり自覚していませんが、ASDの特徴はまるで父という人間そのものです。
※詳しくはこちら↓
【前編】思えば父は、典型的なASDだった~医者の父の一筋縄ではいかないコミュニケーション
父の職業は医者です。
膨大な知識を操り、難しい手術をいくつもこなしてきた父。
失敗が許されない、高度な技術や厳密さを求められる仕事は、こだわりの強い父の性分に合っています。
2.父は日常の単純動作で激しく動揺する
医者として成功をおさめた父ですが、決して器用な人間ではありません。
日常の単純動作ひとつひとつで躓き、ときに激しく動揺する―これが父のもうひとつの顔です。
例えば、
混沌とした台所に立ったとき
家族分のコーヒーをカップに注いでふるまうとき
ドライヤーの設定が自分以外の誰かによって変えられていたとき
予定時間を大幅に過ぎたとき
自分のつもりと家族のつもりがずれたとき
単純作業がいくつも重なったとき
…等々。
激しく動揺した父は機嫌を損ね、ときに家族に激怒し、和やかな家族の空気が一瞬で凍り付く。
そんなことが今までに何度もありました。
「得意」と「苦手」の振れ幅は凄まじく、それこそが父の「生きづらさ」なのだと感じています。
※私は父に似ています↓
3.パニックに陥りやすい父の「小さな工夫」
日常の単純作業でパニックに陥りやすい父は、生活のいたるところに「小さな工夫」を施しています。
3-1.単純動作を「パターン化」する
ひとつは、単純動作を「パターン化する」ということです。
例えば実家には、家のいたるところに父による「赤丸シール」の目印が貼ってあります。
掃除機、パソコン、加湿器などの家電、読了した本など、いたるところにつけられたこれらの印。これをたどるだけで、その場で深く考える手間を省いているそうです。
3-2.特性に合わせた家電をチョイスする
もうひとつは、特性に合わせた家電をチョイスすることです。
例えば、最近父が買い替えたドライヤーは「電源を切ればすべての設定がリセットされる」仕様になっています。
父には「こだわりの設定」があるのですが、家族が思い思いに設定を変えて使用するために設定が変わってしまい、以前はそのことで毎回パニックに陥っていたそうです。
ドライヤーを買い替えることで、ひとつのパニックを解消することに成功しました。
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環境に無理矢理自分を合わせるのではなく、特性に合わせて環境に小さな変化を加える。
父は相変わらず融通は利かないし、作業の目は粗いけど、掃除、洗濯、食器洗い、軽食作りなど、今ではほとんどの家事を自分1人でこなせるようになっています。
4.まとめ
今日は、ASD特性の強い父が、日常動作でパニックに陥らないために行っている「小さな工夫」を紹介しました。
発達障害の特性がある人は、脳が人一倍疲労しやすいため、小さな工夫で脳への負担を減らしていきたいですね。