グレーゾーンなわたしたち

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ちょっとASDでHSPな私が「空気が読めない」と誤解されやすい理由

こんにちは。【ADHD夫を支える妻】はっさくです。

今日は、久しぶりにちょっとASDHSPな私の話をします。

夫とのコミュニケーションの中で、自分の中に2つの相反する特性があることを発見しました。

それは、普段から「空気を読みすぎ」「相手の感情の機微がわかりすぎ」て苦しいにもかかわらず、ある一瞬において、「空気が読めない」と誤解を受ける言動をとってしまうことです。

これまで、私の中のASD特性がコミュニケーション不全の原因だとばかり思っていたのですが・・・事態はもっと複雑でした。

 

私は本当に「空気が読めていない」のか

以前の私は、凸凹夫婦である私たちのコミュニケーションを例に、「空気が読めない」原因についてこう結論づけています。

・・・私たちは互いに「認知の歪み」が強く、空気を読み誤ることがあるようです・・・

認知の歪みが激しいと、相手の意図や感情と切り離されたところで自分の感情だけが一人歩きしてしまい、それがコミュニケーションの齟齬を生み出します。

(↑過去記事より)

「認知の歪み」による空気の読み誤り。たしかにこれも「空気が読めない」ことの大きな原因です。

※詳しくはこちら↓

しかし、最近思っていることはちょっと違います。

「空気を読みすぎ」て、「相手の感情の機微がわかりすぎ」て苦しい。

そんな状態であるにもかかわらず、ある一瞬において、強烈に「空気が読めない人だ」という印象を他者に与えてしまうことがあるのです。

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お前は俺の感情を1ミリも理解していない!!相手にも感情があるんだぞ!!

↑恥ずかしながら、先日も夫にこんなことをいわれてしまいました・・・ 。

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はっさく

ごめん!でも・・・信じてもらえないだろうけどちょっと違う

「状況」もわかっていて、夫が口にした「感情」も手に取るようにわかっている。それにもかかわらず、私の「突発的な」言動が夫を不快にさせてしまうことは、往々にしてあります。

これこそが、私が昔からASD(アスペルガー)の傾向があるといわれてきた所以なのですが・・・これを「ASD特性のせいだ」と一括りにしてしまうと、問題の本質が見えなくなります。

典型的なASDの「空気が読めない」とは少し違う

たしかにASD特性は私の一部であり、全てを否定することはできません。しかし、典型的なASDの人の「空気が読めない」悩みと、私のそれとは少し異なります。

例えばこれは、父との比較からもわかります。

私の父はものすごくASD特性が強い人です。父はよく「空気が読めていない」ことで家族と衝突しますが、父は本当に「相手の感情が見えていない」というか、「相手の心の機微にものすごく鈍感」なところがあります。

先日もこんなことがありました。亡くなった愛猫の葬儀の当日、悲しみに暮れる家族の目の前で、なんと父は、猫の遺品を無造作にゴミ袋に入れて捨てようとしたのです!

もちろん「空気が全然読めていない!」と家族から大ひんしゅくを買っていました・・・(^0^;)

 ※父について詳しくはこちら↓

私の「空気が読めない」は、父のそれとは違います。通常の私はどちらかといえば、父の言動が場の空気を凍らせてしまっていることに、ひたすらヒヤヒヤしてしまう側の人間です。

また父は、場所や人に関係なく、フラットに「空気が読めない人」ですが、私の場合、「空気が読めない」と感じさせ憤慨させてしまった対象は、今のところ家族のみです(家族の前でしか出ません)。

私の困り感はどこにあるのか。

それは、相手の感情も状況も全てわかりすぎるくらいわかった上で、ある場面においてのみ(それもかなり瞬間的に!)「空気が読めない」「気持ちがわからない」と誤解を受けるような言動をとってしまう点にあります。

HSP気質こそが「空気が読めない人」にする直接の原因?!

私が「空気が読めない人」になる瞬間、それは精神的にひどく追い込まれたときです。

裏を返せば、それ以外の場面においては、かなり空気が読める人(読み過ぎる人?)であると自負しています(夫をはじめ周囲からよくいわれるため、十分にたしかなはずです)。

私が精神的にひどく追い込まれるとき、例えばそれは、自分のこだわりが崩れたときや、相手の言動でひどく傷ついたとき、見通しが立たずに不安が強まったときなどです。

これだけ聞くとASD特性そのものなのですが、このとき私の中では、強烈なHSP気質ASD特性とのせめぎ合いが起こっています。

むしろ、「空気が読めない人だ」という印象を与えてしまう直接の原因は、ASD特性ではなくHSP気質にあるのではないかと考えています。

ここで、私が「空気が読めなくなる(=空気が読めない人だと相手に誤解させてしまう)」状況を、2つの図で説明します↓

1つ目は、ノーマルな状態の私です。

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通常時の私は、自分の感情、相手の感情、場の空気・・・どれもまんべんなく、同等に尊重することができます。昔からひどくHSP気質なため、この能力には長けている(むしろやり過ぎだと人に心配されるほど)と自負しています。 

2つ目は、精神的にひどく追い込まれたとき(パニック状態)の私です。はじめの図と比較してみてください。

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強烈なHSP気質から人一倍傷つきやすく、些細なことでパニック状態に陥ります。

ここで重要なのは、パニック状態であっても、相手の感情や立場が見えなくなるわけでは全くない!ということ。

人一倍感じやすいHSP気質から、相手の感情についての認識は通常時と変わらないまま、自分の感情だけがものすごく肥大化した状態「自己の肥大化」とでもいいましょうか)になり、相手の感情が相対的に薄く小さくなってしまうイメージです。

このとき、たしかに空気は読めているのに、自分の心を守ることで必死になり、相手の心に気を使う余裕が全くなくなります。

この状態こそが、「空気は十分に読めている(理解している)にもかかわらず、空気が読めていないかのような言動をしてしまう」大きな原因であると考えています。

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もちろん、わたしの「敏感さ」や「傷つきやすさ」、そこからくる「空気の読めなさ」は、その全てがHSP気質からくるものではなく、ASD特性由来のものもあります。

それは例えば以下です。

  • 「こだわりの強さ」・・・こだわりやルーチーンが崩れると極度の不安に陥り攻撃的になる点

  • 「ワーキングメモリーの少なさ」・・・パニックになると脳の容量が圧迫され、自分と相手を同等に尊重できなくなる点 

しかし、そもそもが人より「感じやすい」「心がパンパンになりやすい」気質を持っているという点で、私の「空気が読めない」直接の原因は、HSP気質にあると考えています。

ASDとHSPは地続きなのでは?

さて、ここまで、「空気を読みすぎる」「人に気を使いすぎる」というHSP気質が、ある瞬間においてものすごく空気が読めない(と感じさせる)」言動に繋がる、という話をしました。

HSPの人は、人一倍傷つきやすい性質を持っています。それが度を超すと、自分のパンパンになった心を守るために、瞬間的に「空気が読めない人」になってしまうことがあります。

ここからうかがえる事実は、HSP気質はASD特性と地続きであるということです。

HSP気質が強烈になると、傷つきやすく感じやすい心を守るために「自我が肥大化」する。そしてそれを突き詰めた先に、ASD特性(=他者の感情に鈍感で独りよがりなコミュニケーション)があるのだと。

もっといえば、HSPを自覚する人の中には、軽度のASD特性を持っている人もいるのではないでしょうか(私はこれを強く自覚しています)。

この考えに基づけば、私自身、HSPだから「全ての空気を人一倍読むことができている」わけでは全くなく・・・夫のいうように、ある一瞬においては本当に「空気が読めていない(ASD的側面が出ている)」のかもしれません。

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はっさく

HSPとASDは正反対のようだけど、表裏一体。とても親和性が高いものなんだね!

まとめ

 今日は、ちょっとASDでHSPな私が「空気が読めない」と誤解されやすい理由について考察しました。

◆まとめ◆

★ちょっとASDでHSPの私の「困り感」

「空気の読みすぎ」「相手の感情の機微がわかりすぎ」で苦しい。

BUT 強烈に「空気が読めない人だ」という印象を与えてしまう!

★直接の原因はASD特性ではなくHSP気質?!

 「空気が読めない人だ」という印象を与えてしまう直接の原因はHSP気質?!

強烈なHSP気質があると・・・

→自分の感情の機微に敏感すぎる

→些細なことですぐパニックに!

「自己の肥大化」・・・自分の心を守ることで精一杯に

 空気は十分に読めている(理解している)にもかかわらず、空気が読めていないかのような言動をしてしまう!

★ASDとHSPは地続きなのでは?

HSP気質が強烈になると、ASDに行き着くのではないか。

HSPを自覚する人の中には、軽度のASD特性を持っている人もいるのでは?!

 

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はっさく

いままで誤解だと思っていたけど、私にも、本当に「空気が読めていない」瞬間があるのかも・・・

自分の持つASD特性とHSP気質。両者は複雑に絡み合って、私という個性をつくっています。またひとつ自己理解が深まった気がします!

(^^)/

 ※ちょっとASDでHSPな私、他にもこんな特徴があります↓

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