グレーゾーンなわたしたち

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【後編】思えば父は、典型的なASDだった~父にシンパシーを感じる私

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こんにちは。【ADHD夫を支える妻】はっさくです。

前回の続き、私の父についてです。父は、強烈なASD特性を持っています。

gray-zone-family.hatenablog.com

父と私は、とてもよく似ている部分があります。私のうっすらとしたASDの特性は、おそらく父譲りなのだと感じます。

今日は、家族とのコミュニケーションに頭を悩ませる父と、そんな父にシンパシーを感じる私の話をします。

家族との衝突が絶えなかった父

仕事では成功している父ですが、家族とのコミュニケーションにおいては、困り感を抱えて苦しむ姿が見られました。

母や妹は、父の言動に何度も泣かされています。

「ひどい!信じられない」

「どうしてそんなこと平気でいえるの?」

たしかに父の言動は、傍から見るとひどいもので、母や妹の傷ついた姿を見るたびに、心がキュッと痛みました。

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口下手すぎる父は、家族とぶつかる度に、ぐったり疲れたような、戸惑ったような表情を見せます。

「無力感」

「脱力感」

家族と衝突する度に、父の口からはこんな言葉が何度もこぼれました。その言葉は、父に傷つけられた家族の気持ちを、ひどく逆撫でするものでした。しかし、これは嫌味でもなんでもなく、父の本音なのだと思います。

「どうして伝わらないのだろう」

「自分の何がいけないのだろう

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噛み合わないコミュニケーション。家族との深まる溝。

社会的地位を築き上げた父がひどく困り感を感じるのは、家族とのコミュニケーションにおいてだけかもしれません。

そんな孤独な父の姿にも、私は密かに心を痛め続けてきました。

 

父にシンパシーを感じる私

母や妹とは何度も修羅場を経験している父ですが、不思議と私とはほとんどぶつかりません。それは、娘の私が、うっすらだけど父に似たASD特性を持っているからかもしれません。

父と私はところどころ感覚が似ており、互いにシンパシーを感じています。マイルールの強さ、ひどく心配性なところ、予定変更が苦手なところ、引っ付いて離れない頭、カッとしやすいところ・・・父との共通点はたくさんあります。

(私の特性は軽度なので、父の感覚が全く理解できない部分もありますが・・・)

母や妹の目には、父はとてつもなく残酷な人にうつるときがあるかもしれないし、実際、父の言動で2人が深い傷を負っていることはたしかです。

でも私には、父が家族とのコミュニケーションを通して感じる「脱力感」や「無力感」が、何となくわかるのです。

下手な言葉で母との関係を拗らせる父を見て、父の心の声を思わず代弁したくなることがあります。

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父は、母と喧嘩すると、たまに私に電話をかけてきます。

「お母さんのことが大好きなんだ。どうして伝わらないんだろう」

母が怒って家を出ていった日に、父は電話越しでそういいながら泣いていました。

「その言葉じゃ伝わらないよ・・・」

「その行動では誤解を生んでしまうよ・・・」

いろんな気持ちで胸がいっぱいになりました。

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父の今

父はとてもASD特性の強い人ですが、年を取るにつれて、だいぶ丸い性格になりました。また、父との関係を投げ出さずコミュニケーションを重ねてきた母のおかげで、父が少しずつ自分の感覚を言葉で表現してくれるようになりました。

父とのコミュニケーションは、以前よりかなりやりやすくなったと感じるし、家族ともわかりあえる瞬間が増えました。

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いろいろありましたが、私は昔も今も変わらず父が大好きです。父を見ていると、特性があっても少しずつ人は変われるのだと嬉しくなります。

(^^)/

 

※凸凹すぎる我が家。私の母には夫と同じADHDの特性があります↓

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