世界の中心で叫びたかった。
「それは私じゃない」
そう大声で叫びたかった。
「今月の支払い、まだですか」
困り顔の生協のお兄さんに向かって、叫びたかった。
それは、私じゃない。
「家賃の滞納、またですか」
呆れ顔の大家さんに向かって、叫びたかった。
それは、私じゃない。
「カードの返済、滞納続けば解約です」
痺れを切らすカード会社の人に向かって、叫びたかった。
カードの名義は私でも、
それは、私じゃないんだ。
他にも・・・
「ガス代滞納、困ります」
「電気に水道、止めときます」
「市税の支払い、いつですか」
「奨学金の返済、まだですか」
「保険の契約、もう切れます」
「ケータイ代、支払い意思はありますか」
「借金の返済、どうなっていますか」
・・・
続けば、社会的信用を失います。
続けば、財産を差し押さえます。
続けば、裁判に訴えます。
私の知らない世界のことを、皆が私に聞いてくる。
そして、しきりに訴えてくる。
なぜ?
それは私が夫の妻だから。
私はADHD夫を支える妻。
だから、何度も何度もこういってきた。
「すみません」
「ご迷惑をおかけします」
「次は気を付けます」
何度も頭を下げながら、
私の頭はハテナでいっぱいだった。
私の心は悲しみでいっぱいだった。
私はいつも、世界の中心でこう叫びたかった。
「それは、私じゃない!私のせいじゃない!」
そして、皆に聞こえるようにこういいたかった。
「夫は、ADHDなんだ。
誰か、私たちを助けて!」
今でもたまに叫びたくなる。
でも、もう投げ出さないと決めたから、
それは心の中だけで叫ぶようにしている。
そしてここで、しっかり吐き出させてもらう。
。゜(゜´Д`゜)゜。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
この数年で、夫はだいぶ変わりました。
でもたまに、夫との過去が思い返されて苦しくなることがあります。
夫との今が苦しいと感じることがあります。
夫との過去、そして今、全て笑い飛ばせる日が来るといいな。
※ADHDの夫と生きるということは・・・↓